• "ひろしま観光立県推進基本計画"(/)
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  1. 広島県議会 2022-12-03
    令和4年12月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年12月定例会(第3日) 本文 2022-12-13 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 121 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(中本隆志君) 選択 2 : ◯議長(中本隆志君) 選択 3 : ◯恵飛須圭二君 選択 4 : ◯議長(中本隆志君) 選択 5 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長(中本隆志君) 選択 7 : ◯商工労働局長(川口一成君) 選択 8 : ◯議長(中本隆志君) 選択 9 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 10 : ◯議長(中本隆志君) 選択 11 : ◯議長(中本隆志君) 選択 12 : ◯渡辺典子君 選択 13 : ◯議長(中本隆志君) 選択 14 : ◯渡辺典子君 選択 15 : ◯議長(中本隆志君) 選択 16 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 17 : ◯議長(中本隆志君) 選択 18 : ◯渡辺典子君 選択 19 : ◯議長(中本隆志君) 選択 20 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 21 : ◯議長(中本隆志君) 選択 22 : ◯渡辺典子君 選択 23 : ◯議長(中本隆志君) 選択 24 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 25 : ◯議長(中本隆志君) 選択 26 : ◯渡辺典子君 選択 27 : ◯議長(中本隆志君) 選択 28 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 29 : ◯議長(中本隆志君) 選択 30 : ◯渡辺典子君 選択 31 : ◯議長(中本隆志君) 選択 32 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 33 : ◯議長(中本隆志君) 選択 34 : ◯渡辺典子君 選択 35 : ◯議長(中本隆志君) 選択 36 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 37 : ◯議長(中本隆志君) 選択 38 : ◯渡辺典子君 選択 39 : ◯議長(中本隆志君) 選択 40 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 41 : ◯議長(中本隆志君) 選択 42 : ◯渡辺典子君 選択 43 : ◯議長(中本隆志君) 選択 44 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 45 : ◯議長(中本隆志君) 選択 46 : ◯渡辺典子君 選択 47 : ◯議長(中本隆志君) 選択 48 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 49 : ◯議長(中本隆志君) 選択 50 : ◯渡辺典子君 選択 51 : ◯議長(中本隆志君) 選択 52 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 53 : ◯議長(中本隆志君) 選択 54 : ◯渡辺典子君 選択 55 : ◯議長(中本隆志君) 選択 56 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 57 : ◯議長(中本隆志君) 選択 58 : ◯渡辺典子君 選択 59 : ◯議長(中本隆志君) 選択 60 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 61 : ◯議長(中本隆志君) 選択 62 : ◯渡辺典子君 選択 63 : ◯議長(中本隆志君) 選択 64 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 65 : ◯議長(中本隆志君) 選択 66 : ◯渡辺典子君 選択 67 : ◯議長(中本隆志君) 選択 68 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 69 : ◯議長(中本隆志君) 選択 70 : ◯渡辺典子君 選択 71 : ◯議長(中本隆志君) 選択 72 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 73 : ◯議長(中本隆志君) 選択 74 : ◯渡辺典子君 選択 75 : ◯議長(中本隆志君) 選択 76 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 77 : ◯議長(中本隆志君) 選択 78 : ◯渡辺典子君 選択 79 : ◯議長(中本隆志君) 選択 80 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 81 : ◯議長(中本隆志君) 選択 82 : ◯渡辺典子君 選択 83 : ◯議長(中本隆志君) 選択 84 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 85 : ◯議長(中本隆志君) 選択 86 : ◯渡辺典子君 選択 87 : ◯議長(中本隆志君) 選択 88 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 89 : ◯議長(中本隆志君) 選択 90 : ◯渡辺典子君 選択 91 : ◯議長(中本隆志君) 選択 92 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 93 : ◯議長(中本隆志君) 選択 94 : ◯渡辺典子君 選択 95 : ◯議長(中本隆志君) 選択 96 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 97 : ◯議長(中本隆志君) 選択 98 : ◯渡辺典子君 選択 99 : ◯佐藤一直君 選択 100 : ◯議長(中本隆志君) 選択 101 : ◯佐藤一直君 選択 102 : ◯議長(中本隆志君) 選択 103 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 104 : ◯議長(中本隆志君) 選択 105 : ◯佐藤一直君 選択 106 : ◯議長(中本隆志君) 選択 107 : ◯議長(中本隆志君) 選択 108 : ◯竹原 哲君 選択 109 : ◯議長(中本隆志君) 選択 110 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 111 : ◯議長(中本隆志君) 選択 112 : ◯副知事(玉井優子君) 選択 113 : ◯議長(中本隆志君) 選択 114 : ◯農林水産局長(大濱 清君) 選択 115 : ◯議長(中本隆志君) 選択 116 : ◯都市建築技術審議官(高橋政則君) 選択 117 : ◯議長(中本隆志君) 選択 118 : ◯土木建築局長(上田隆博君) 選択 119 : ◯議長(中本隆志君) 選択 120 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 121 : ◯議長(中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長(中本隆志君) 出席議員五十五名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第九二号議案         至第四十八 報第二九号 2: ◯議長(中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第九二号議案 令和四年度広島県一般会計補正予算から日程第四十八、報第二九号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。恵飛須圭二君。         【恵飛須圭二君登壇】 3: ◯恵飛須圭二君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の恵飛須圭二です。今次定例会におきまして質問の機会を頂き、中本議長、先輩、同僚議員の皆様には深く感謝を申し上げます。また、本日、本会議の傍聴に来ていただきました、日頃よりお世話になっている地元応援団の皆様にも、この場をお借りして、深く感謝を申し上げ、早速ですが質問に入らせていただきます。  質問の第一は、G7広島サミット開催に伴う県内全域への波及効果についてお伺いします。  令和五年五月に開催されるG7広島サミットを成功に導くためには、幅広い主体を巻き込み、総力を結集して取り組むことが重要です。  このため、本年七月に広島サミット県民会議を設置し、現在、行政、経済界、観光関係団体、平和関係団体など、多様な主体と連携しながら、安全・安心で円滑なサミットの開催、おもてなし、平和の発信、広島の魅力の発信、若者の参画という五本の柱によって、官民一体で鋭意準備を進められています。  また、五本の柱に基づき、警備体制の構築や公共インフラの整備、歓迎機運の醸成といったサミット関連事業として、九月補正予算までで七十五億円、十二月補正予算案では約八億円を提案し、合計で約八十三億円という近年まれに見る大型の予算規模となっており、まさにオール広島で、着実に事業を推進していく必要があります。  万全な警備体制によりサミットを成功裏に収めることはもとより、平和のメッセージを世界に向けて積極的に発信し、これまで本県で進めてきた平和行政の取組を一歩推し進める結果につなげていただきたいと切に願います。  加えて、サミットの開催期間中、また、その前後の期間において、予算規模に見合うだけの経済効果を生み出していくことも必要です。  三重県のホームページを拝見すると、平成二十八年に開催された伊勢志摩サミットでは、県内への経済効果として約四百八十三億円であったと公表しています。また、国内パブリシティー効果として、一千八百七十四億円、ポストサミット経済効果として、平成二十八年から令和二年までの五年間で、一千四百八十九億円と試算されています。  ポストサミットの経済効果として、県外からの観光客数の増加や国際会議の開催件数の増加といった効果が見込まれています。  一方、平成二十年に北海道で開催された洞爺湖サミットでは、残念なことに、世界的な金融危機を引き起こしたリーマンショックが二か月後に発生し、一気に景気が後退したことから、試算された経済効果は急速に落ち込んだとされています。  現在、長期化するコロナ禍に加え、物価高騰や各国の金融引締めなどの影響により、世界経済の先行きは不透明であり、G7広島サミットの経済効果の見込みを立てることは大変難しいとは思いますが、このような社会経済情勢の下であっても、サミットの開催効果を一過性のものとせず、かつ広島市以外の県内全域で最大限波及できるよう取り組んでいただきたいと思います。  そのためには、サミット自体の注目を集めるための機運醸成に加えて、戦略的な広報活動や集客力の高い県内観光地との連携、外国人観光客を魅了する観光資源の魅力発信など、経済効果を長期間にわたって持続させるための工夫が必要となります。  そこで、G7広島サミットの開催に伴う経済効果額についてどのように考えているのか、また、今後、観光誘客や産業振興などの活性化につなげ、ポストサミットを含む経済効果の最大化を図っていただきたいと考えますが、広島市以外の県内全域に経済効果をどのように波及させていくのか、知事の御所見をお伺いします。
     質問の第二は、持続可能な観光地を目指した観光推進組織との役割分担についてお伺いします。  本県では、適切な推進体制により県全体の観光振興を図るため、令和二年四月から、県観光課の業務の大部分を県観光連盟に移管されました。観光プロモーションやプロダクト開発など、県全域の観光施策は、一元的に県観光連盟で実施しており、明確な役割分担の下で、組織マネジメントの効率化が図られていると思います。  また、せとうちDMOは、新型コロナによる外国人観光客の急激な減少により、現在、効果的なインバウンド戦略を打ち出すことは難しい状況にありますが、これまで、欧米市場を中心とした観光プロモーションなどにより、瀬戸内七県による広域DMOとして、瀬戸内エリアのブランド価値向上に取り組んでこられました。  一方で、県内市町の推進体制に目を向けると、観光部局と、観光協会・地域DMOなど関係団体の役割分担が不明確な組織も多く、地域の特性を生かした戦略的かつ効果的な事業展開を行うことができていないように思います。  県内には、三次市、庄原市、東広島市、安芸太田町の四市町に地域DMOがありますが、組織運営について確認すると安定的な自主財源に欠けており、人材やノウハウの不足といった課題から、地域DMOに求められる戦略的な観光振興策を十分に推進できていません。  こうした課題の対応として、観光庁では、DMOにおける自主財源開発手法ガイドブックなどを作成されておりますが、国内において、自立的、継続的に活動できるだけの安定的な運営資金を確保できているDMOはなく、今のままでは立ち行かなくなるのではないかと懸念しています。  こうした中、現在、県では、令和五年度からスタートする次期「ひろしま観光立県推進基本計画」の策定作業を進められています。新型コロナの収束も不透明な中、令和七年の目標値として、総観光客数八千四百万人、そのうち外国人観光客数七百二十五万人、さらには令和十二年の総観光客数一億人という野心的な目標を掲げられており、今後の取組に大いに期待しています。  次期計画に掲げる目標達成に向けて、今後、本県観光客のV字回復を図っていくためには、観光に携わる全ての関係者が明確な役割の下で、共通意識を持ちながら取組を進めていく必要があります。  加えて、県観光連盟やせとうちDMOがこれまで培ってきた観光戦略やデータ分析のノウハウなどについて、県内市町の観光協会や地域DMOと共有を図るなど、県としてもっと主体性を持って、相互に連携を図りながら、ひろしまブランド価値の向上につながる施策を推進していくことも必要ではないでしょうか。  そこで、県観光連盟をはじめ、市町の観光部局や観光協会、地域DMOなど、観光推進を担う組織の役割分担についてどのように捉えられているのか、また、持続可能な観光地を目指し、多様な観光推進組織との連携について、今後、どのように強化を図っていこうとされているのか、知事の御所見を伺います。  質問の第三は、産学官連携によるイノベーション創出について、三点お伺いします。  一点目は、次世代学園都市の形成についてです。  東広島市は、昭和四十八年に決定された広島大学の統合移転を契機として、学園都市として、また、広島中央テクノポリス開発といった国や県主導のプロジェクトによって、産業都市としても成長し、現在では、人口十九万人超え、四大学のキャンパス、二十三の産業団地を有する都市となっています。  令和二年、広島大学と東広島市は、国際学術研究都市としてさらなる成長を目指して、欧米をモデルに大学と市の一体組織、タウン・アンド・ガウンオフィス準備室を設置して、共同で先駆的なプロジェクトをスタートしました。  広島大学では、世界トップレベル研究拠点プログラム──WPIへの採択、アリゾナ州立大学や各国パートナー企業との連携、これまでの留学生とのネットワークなど、国内外の卓越した研究者や企業人が集まる国際頭脳集積拠点を目指して取組を進めています。  現在、こうした取組に、住友商事やソフトバンクなど国内有数の企業、中国電力、サタケなどの県内企業十数社の参画を得て、産学官インキュベーション拠点の整備、デジタル情報のプラットフォーム基盤の構築、さらには、カーボンニュートラル、持続可能なモビリティーシステムの実現など、様々なプロジェクトを展開しています。  また、イノベーティブなまちづくりによる人口集積を進める観点から、広島大学やその周辺一帯の地域において、市街地のリニューアル化、新市街地の建設、研究開発団地、産業団地の開発など、次世代学園都市構想の推進に取り組んでいるところであり、マイクロンメモリジャパンの製造拠点拡張に伴う高度人材の受皿づくりとしても期待されるところです。  次世代学園都市構想の推進は、世界からノウハウや投資を呼び込み、多様な人材や企業のつながりの創出といった新しい成長力を生み出し、ひいては、本県の活力創出にも寄与するものと思います。  現在、国においても、岸田総理の下、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会の実現を目指して、デジタル田園都市国家構想実現会議が開催されており、湯崎知事も参加されています。  先日示された「デジタル田園都市国家構想基本方針」においては、構想の実現に向けた地域ビジョンが提示されており、スマートシティやSDGs未来都市などとともに、産学官協創都市が掲げられるなど、次世代学園都市構想は全国的に人口減少が進む中で、大学とともに成長を続ける東広島市にふさわしい将来ビジョンではないかと考えます。  そこで、お尋ねいたします。今後、本県が持続的に発展していくためには、その成長軸となり得る、国際的な次世代学園都市の形成に向けた取組を推進していく必要があると思います。しかし、その規模を考えると東広島市単独では限界があり、広域行政を担う県として、産学官連携などの視点を持ちながら、強力に取組を推進していただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、半導体サプライチェーン構築に向けた環境整備についてお伺いします。  半導体は、パソコンやスマートフォン、自動車等の現代の生活に欠かせない工業製品材料であり、また、デジタル社会を支える重要基盤です。現在、世界的な半導体不足から、各国政府は、自国内で半導体を生産することの戦略的重要性を認識し、サプライチェーン強靱化に向けた取組を進めています。  我が国では、本年九月、経済産業省が最先端の半導体の量産体制強化に向けて、マイクロンの広島工場の設備投資に、最大で約四百六十五億円を支援することを発表しましたが、半導体産業の集積や関連企業の誘致により、サプライチェーンを構築していくためには、同時に、産業団地、上下水道などのインフラの環境整備が欠かせません。また、半導体関連産業の専門研究者、技術者については、今後、数千人単位での増加が見込まれるため、家族も含めて、快適に住むことができる良質な住環境の整備も必要となります。  一方、昨年十二月の本会議でも質問したように、東広島市内の二十三の産業団地は全て完売しており、また、開発可能な地域は、農振法、土地計画法などの土地利用規制がかかるため、こうした土地を活用するためには、地域未来投資促進法などにより、規制緩和に取り組む必要があります。また、インフラにおいても、利用可能な工業用水道の水量がほとんどないこと、半導体製造過程で生じる排水の効率的な処理など、様々な課題があります。  そこで、地域未来投資促進法に基づき策定した「広島県地域未来投資促進基本計画」については、令和四年度末に終期を迎えることから、これまでの取組の成果や課題等を検証しつつ、市町と連携しながら、令和五年度以降の対応に向けて検討していくと昨年、答弁されましたが、市町からどういった声を聞いており、どこまで検討が進んでいるのか、また、この法律を活用して土地利用緩和を図ることができるようになるのか、知事にお伺いします。  また、今後、半導体サプライチェーンの効率的な生産・販売体制を構築していくためには、工業用水の確保や、排水処理などのインフラ環境の整備、さらには、大規模な住宅団地の整備も必要となります。こうした状況に対して、県としてイニシアチブを持って対応する必要があると考えますが、県としての認識、また、課題と対応策について、併せてお伺いします。  三点目は、半導体関連産業の人材育成・確保についてお伺いします。  半導体と聞くと、特殊なスキルを持った科学者やエンジニアを思い浮かべる方が多いかと思いますが、半導体産業は裾野が広く、設備の保守・点検や回路設計、素材加工など幅広い職種が関わってきます。  世界各国において、最先端の製造技術の開発、半導体製造拠点の整備などへの巨大投資が行われており、日本においても、令和三年、国は、半導体・デジタル産業戦略を策定し、国内の半導体製造基盤の整備や先端技術開発に対する重点的な支援の取組をスタートしました。  こうした動きを受け、九州では、いち早く、産学官一体の九州半導体人材育成等コンソーシアムを設立し、半導体人材の育成・確保、サプライチェーンの強化などの取組をスタートしています。  また、台湾の半導体大手TSMCの九州進出や、国内大手八社が出資する新会社Rapidusの設立など、技術者確保の動きが加速しており、今後、全国的な人材の奪い合いが懸念されます。  さらに、大手IT企業四強と言われるアメリカのGAFAや中国のBATHといった巨大プラットフォーム企業への高度人材の流出が続くなど、グローバルな人材競争も過熱しています。  このため、半導体関連産業の人材育成・確保は、喫緊の課題となっています。  そこで、東広島市においては、広島大学による新半導体交流施設Jイノベ棟の整備と人材育成、東広島市によるひがしひろしま半導体フォーラムの開催などの取組が進んでおり、県内全域の半導体関連産業の基盤強化に向けて、広島県が主体となり、大学、企業等と連携し、人材の育成・確保に取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  また、高度な知識を持った人材を育成するためには、中学生、高校生のときから、科学技術の発展を支える理系人材を育てる教育プログラムや、STEM教育等を重点的に行う必要があると考えますが、併せてお伺いします。  質問の四点目は、産業構造の変化と雇用の流動性への対応について、二点お伺いします。  一点目は、産業構造の変化とリスキリングの推進についてです。  デジタル化の日常への定着は、今やスマートフォンやモバイルパソコンを触らない日はなく、誰もが世界中の情報を手のひらの中で手に入れることができ、今こうして私が本会議で質問している様子も県民の皆様のみならず、全世界へリアルタイムで発信されることが可能となっていることからも論をまたないと思います。  こうした中、二〇一三年に発表された英国オックスフォード大学のフレイ・アンド・オズボーンの研究結果により大きな衝撃を受けたのが、まだ先日のことのように思います。  デジタル化の進展や人工知能等の普及が私たちの生活に溶け込んでくるだろうということは頭では理解していても、米国において十年から二十年間に労働人口の四七%が機械に代替されるリスクが七〇%以上という推計結果には、誰もが耳を疑ったはずです。ただし、これ以後、この研究結果を検証する論文は数多く出ており、極端な数字であるとも言われていたり、本人もある特殊な前提の下で単純化された試算をしたに過ぎないと答えていますが、デジタル化が私たちの行動を変容させる可能性を大いに持っていることについて、世界的な議論の火つけ役となったことは間違いありません。  こうした状況に呼応し、現岸田政権においては、第十二回新しい資本主義実現会議や規制改革推進会議の中でも円滑な労働移動を、国や自治体が主体的に関わりながら進めていこうとするリスキリングが提唱されており、本県においても、広島県リスキリング推進検討協議会が設置され、支援事業にも取り組まれています。  リスキリングとは、デジタル革命がさらに進展した時代においても、AIやロボットへの代替可能性による技術的失業を回避するためのスキルギャップを埋めていくために、自分自身が保有するスキルの再構築を進めていき、新しく活躍できる労働の場の創造、提供のためのものであり、世界経済フォーラムでも二〇三〇年までに十億人のリスキリングが目標値として掲げられている意味でも避けて通れぬ命題と言えます。  本県の産業は、ものづくりを軸として、造船、鉄鋼、自動車などの重工業から、電気機械、電子部品などの先端産業まで、バランスの取れた層の厚い産業群を形成していることや、中四国においても大きな商業圏を持ち、海外からのインバウンドも大きく期待されることから、関連産業の発展速度を鈍らせるわけにはいきません。  そこで、今後、デジタル化の波がさらなるスピードで産業界への変革を求めてくることを勘案し、広島県を取り巻く産業構造の変化をどう予測しているのか、また、それに対するリスキリングの実践のロードマップをどのように描いているのか、知事にお伺いします。  二点目は、雇用の流動化への対応についてです。  雇用の流動化とは、将来的に縮小していく産業から成長産業への人材の移動であったり、さらなる仕事のマッチングや処遇、働き方の合う環境を求めて、職場や仕事を変えていく状態のことを言います。  メンバーシップ型と言われる日本型雇用の場合、景気後退期であっても世界と比較すると雇用が変動しにくい特性がありますが、内閣府の調べによると、賃金と人口流出の関係は賃金水準が低いほど人口流出率が高くなる傾向にあるとされており、地方人材の大都市圏への流出や人手不足の状況からもそのことがうかがい知れます。  さらに、地方が人材不足にあっても大都市との賃金格差が縮まっていない理由として、人口密度が高いほど労働生産性の高いサービス業が賃金の上昇を牽引していることが挙げられており、地方都市がその上昇幅に追いついていけておらず、今後も慢性的に労働力確保が困難である状況を大変危惧しています。  そうした状況であるからこそ、デジタル化への期待値が膨らみ、リスキリングを成功させていかなければならないと考えますが、県のアンケートを見ますと、企業への浸透と実践はまだまだ遠いものと言わざるを得ない結果と言えます。  この理由を探るヒントになりそうなものとして、日本総研の円滑な労働移動を実現する制度改革の方向性のレポートの中では、職業情報の見える化の重要性の指摘がなされています。私なりに解釈すると、リスキリングに当たって職業に関する賃金水準や必要なスキルを理解し、時間やお金への投資、労力を投じるに値するかしないかが、事前にある程度判明しなければ、取組が進まないということだと思います。  さらに、雇用の七割は中小企業という中で、現状の保有スキルの可視化、いわゆる個々のスキルの棚卸しを行うことは現場の人材不足を考えると一番の障壁になるとの声も聞かれます。  そこで、技術的失業を防ぐリスキリングを実践するためにすべきことを中小企業の事業者目線で捉えると、広島県としてどういった取組や支援ができるとお考えか、知事の御見解をお伺いします。また、企業が人材投資をした結果、他社の環境を求めて従業員が社外へ流出するリスクについてどう対処していくのかは経営者を悩ませる大きな課題でもあり、雇用労働行政の側面からこのような現場のジレンマに対する見解と対策について、併せてお伺いします。  質問の五点目は、スクールエスが目指す取組について、二点お伺いします。  一点目は、スクールエスの取組と位置づけについてです。  昨今、不登校等で学校に通えない、また、通わない児童生徒数が全国、そして広島県においても増加傾向にある中で、今年度開設された、広島県に住んでいる不登校等の児童生徒を支援する県の教育支援センターとして役割を果たすスクールエス事業は、大きな注目が集まっている取組と言えます。  広島県はこれまで、全国に先駆ける形で学習支援や心のケアを行うスペシャルサポートルーム、いわゆるSSRの設置や、その推進校を指定し、不登校等支援対策に前向きに取り組んでこられており、このことは児童生徒のみならず、保護者にとっても大変心強い取組であると認識しています。特に、いわゆる校内フリースクールの役割を果たすSSRについては、指定校において学校に通うことのできない児童生徒数が減少するなどの効果が発揮されており、現在は県内三十三校まで拡大されています。  他方、国においては、文部科学省の不登校に関する調査研究協力者会議においても、コロナ禍等を背景に増加が続く不登校児童生徒のため、実態に配慮した特別の教育課程を編成できる不登校特例校の設置推進等が議論されており、平成二十九年から施行されている普通教育機会確保法の後押しもあり、積極的な施策展開が行われています。  また、公立の小中学校を管轄する市町においても、教育支援センター等関係機関を中心に取組が展開されており、不登校の要因の多様性を見ても家庭、地域を踏まえた社会全体の問題として捉えられるべきものだと考えます。  そこで、このように国、県、市町が連携して取組を進める不登校対策ですが、改めてスクールエスの役割と位置づけについてお伺いします。  まず、市町にある公立の小中学校は、学校教育法第一条に定められる、いわゆる一条校でありますが、校内に設置されるSSRの取組も、一条校である学校の教育活動の一つであるという認識でよいでしょうか。  また、不登校特例校は、構造改革特区による規制の特例措置として設置が可能になって以降、平成十七年から学校教育法施行規則の改定により全国的な設置が可能となっています。また、さきに述べた普通教育機会確保法第十条によると、不登校特例校の整備及びその教育の充実に向けて各自治体が必要な措置を講じることが努力義務として規定されています。  その一方で、広島県にこのような不登校特例校は設置されておりません。こうした不登校特例校の設置を進めず、スクールエスという公的なフリースクールなるものを設置された経緯及び意図について、併せて教育長にお伺いします。  二点目は、今後の学校の在り方と不登校支援についてです。  スクールエスは、子供たちの学校への復帰を目標にしないという考え方の下で運営されています。まさに、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すという理念のとおりであり、教育長のインタビューにもありました、自信を持って色々なコミュニティーに出入りしながら愉快な人生を歩んでいくことが究極の目的であるということだと理解しています。  一方で、様々な不安の声が私に届くのも確かです。例えば、不登校自体が悪いとは考えていないが、それにより学習保障がなされていない子供たちが増えていること、また、親として子供たちが教育を受ける権利をどのように保障していくかなど、先の長い将来を考え、社会的、経済的自立、社会適応力などを不安視する内容です。  現在のデジタル化が進んだ背景から考えますと、勉強、いわゆる学力をつける、知識、技能をつけることについては学校に通わなくても可能であり、本人の習得すべき知識や技能の習得は、民間のフリースクール、通信制校などの選択肢もありますし、学校以外の環境で得られるのかもしれません。  さらに、学校改革の第一人者として注目を集めている元麹町中学校校長、現横浜創英中学・高等学校校長の工藤勇一先生は、一斉教授型の授業方式からの脱却、能動的に自分の学び方を学ぶ、PC、タブレットはあくまで道具であり、自分に合った使い方をなどと、次々に改革を進められており、学校での学び方を抜本的に変えるものであることは皆様も御存じのとおりです。  そこで、県が設置するスクールエスが学校への復帰を目指さずに、自分に合ったやり方で主体的に学ぶという方向性を持ちながら、同時に既存公立学校も運営していくという、同一アクターが同組織内でそれぞれ別の方針で運営することに対してどのような整理がされているのか、教育長にお伺いします。  また、義務教育を所管する市町の教育委員会とどのような連携を取りながら支援を進めていくのか、さらに、学校改革の機運の高まりに応じて、県においても時代の変化に合わせた義務教育の意義が再定義されるような議論があるのか、併せて教育長の御見解をお伺いします。  質問は以上となりますが、最後に一言申し上げます。  日々の議員活動の中では、生命や生活に密接に関わることや学校や家族のことなど、御相談をいただく内容は多岐にわたります。  今回の質問においても、その多くは身近な方々からの生の声を受けた問題意識から生まれたものであり、私自身も御相談により、初めて気づかされることも多く、勉強し、成長させていただける貴重な機会と捉えています。  執行部におかれましては、ぜひとも広島県が今何を考えているのか、県民の皆様に分かりやすい明快な御答弁をいただけることを期待して、質問を終わります。御静聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長(中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事(湯崎英彦君) まず、G7広島サミット開催に伴う県内全域への波及効果についてお答え申し上げます。  広島サミットの経済効果額につきましては、サミット開催期間が三日間となり、伊勢志摩サミットと比べて一日増えていること、また、都市型の開催であることなどを踏まえますと、直接的な経済効果につながる県内需要の増加額につきましては、伊勢志摩サミットに匹敵、ないしは、それを超える規模が見込まれるものと考えております。  なお、具体的な経済効果額につきましては、現段階では、開催に係る事業規模等が不明確なため、お示しできませんが、直接的な効果額、パブリシティー効果額、将来見込み等も含め、今後、実績やデータ等を整理した上で、算出してまいりたいと考えております。  また、G7サミットは、世界が注目する国際会議であり、参加国のみならず、世界各国に報道されることから、サミット後の来訪者の増加等に向けて本県の多様な魅力や価値を発信し、その認知度を高めることにより、経済効果を県内全域へ波及させる絶好の機会であると認識しております。  そのためには、国際平和文化都市広島のプレゼンスの向上に加えて、県内各地に存在する広島の魅力の発信を積極的に進めるとともに、サミット後の観光客等の県内各地への来訪も見据えながら、おもてなしの取組を着実に進めることが必要でございます。  こうした認識の下、広島の魅力の発信につきましては、まず、首脳の会議や食事、訪問先などは、その後の報道等によって大きなインパクトや効果が創出されることを踏まえ、国に対して、県産品の積極的な活用や訪問先の提案を行っているところでございます。  また、サミット開催に合わせて本県を訪れる国内外のメディアを対象として、プレスツアーの実施、広島の多彩な魅力や情報をまとめた動画や、県内の観光地や産業、文化等の情報を展示した発信拠点の提供などに取り組むことで、県内各地の魅力や価値について理解を深めていただき、訴求力の高い発信につなげてまいります。  あわせて、訪問客の増加など、ポストサミットを見据えて、飲食店のメニューの多言語化やトイレの洋式化などの受入れ環境整備のほか、自然公園や道路等のインフラ整備を進めるなど、おもてなしの取組についても展開してまいります。  こうした取組により、国内のみならず、世界各国から注目を集め、多くの人が広島県内各地を訪れる、あるいは、多くの人が広島県内各地の産品を選ぶといった消費行動につなげることで、広島サミットの経済効果を持続させ、最大化するよう、全力で取り組んでまいります。  次に、持続可能な観光地を目指した観光推進組織との役割分担についての御質問でございます。  本県の観光振興におきましては、市町やDMO、観光関連事業者など観光に携わる様々な主体と目指す姿や施策の方向性などを共有した上で一体的に施策を推進していく必要があるものと認識しております。  とりわけ、県内各市町とは、より密接な連携を図りながら様々な取組を進めることが重要であることから、県観光連盟におきましては、市町との勉強会を毎月開催し、マーケティングにより得られた新たな観光ニーズや観光客の動向、県観光連盟の取組状況や今後のインバウンド戦略、SNSやGPSデータなどを活用した効果的な情報発信事例の共有などに取り組んでいるところでございます。  現在、県内の複数の市町におきましても、行政、民間、地域等が一体となって、地域DMOの設立が進んでおりますが、関係市町から伺っている設立後の主要な課題といたしましては、市町や地域DMOなどにおけるそれぞれの役割が必ずしも明確とは言えず、県や県観光連盟などとの連携も含め、効果的かつ効率的な観光施策の推進に十分につながっていないということなどがございます。  こうした状況も踏まえまして、現在、策定作業を進めております次期「ひろしま観光立県推進基本計画」の素案におきましては、観光に携わる全ての主体が、環境変化等も踏まえながら、相互に連携して取組を進めていくため、例えば、県観光連盟におきましては、県域全体の観光振興や市町、地域DMOとの連携促進、また、市町、地域DMOにおきましては、各地域の特色を生かした観光資源開発や観光の視点に立ったまちづくりの推進など、それぞれが担うべき主な役割を明確化したところでございます。  次期計画策定後は、計画に掲げる目指す姿や施策の方向性と取組内容、各主体が担うべき役割などについて、多様な観光推進組織等に対し共有を図っていくとともに、県がリーダーシップを発揮し、市町や地域DMO等との連携を強化して、県内各エリア別に特色を持った施策について、より一体的に取り組むことで、今後の環境変化等にも柔軟に対応できる持続可能な観光地づくりを進めてまいります。  次に、次世代学園都市の形成についてでございます。  本県が持続的に発展していくためには、豊かな自然や歴史、文化、産業集積など、各地域が持つ魅力を最大化し、地域の魅力、個性を生かした地域づくりを進めることにより、住民一人一人が地域に誇りと愛着を持ち、内外から魅力ある地域として選ばれる、住みやすく活力のある地域の実現を目指して取り組んでいく必要があるものと考えております。  これまで本県におきましては、研究開発の拠点として、東広島市に広島中央サイエンスパークを整備するとともに、産学官連携の下、ライフサイエンスなどの分野で研究開発を推進し、現在では、広島大学デジタルものづくり教育研究センターにおいて、デジタル技術を活用したものづくりの研究開発を進めているところでございます。  さらに、今後、広島大学や東広島市、マイクロンをはじめとする半導体関連企業と産学官の連携によるせとうち半導体共創コンソーシアムを設立し、半導体研究開発の高度化や中核人材の育成などに取り組んでいくこととしております。  また、東広島市におきましては広島大学を中心とした世界に貢献するイノベーション創造の町を目指しており、令和四年三月には、広島大学や民間企業と共同で検討を行い、東広島市次世代学園都市構想を策定されております。  この取りまとめに当たりましては、県も構想検討会議に参加し、広島大学周辺エリアにおける様々な分野の方向性について、広域的、技術的な観点から意見を述べさせていただいたところでございます。  さらに、この構想の中で示している地域特性を生かした居住環境の創出に向けて、ゆとりと魅力ある居住環境の創出モデル事業の第一弾のモデル地区として、令和三年度から広島大学周辺エリアの将来ビジョンの策定等を支援しており、国内外の方々から選ばれるグローバルスタンダードな生活環境づくりに向けた具体的なエリアデザインについて、現在、市と連携しながら取り組んでいるところでございます。  次世代学園都市構想の推進は、県全体の発展にも資するものと考えており、構想の具体的な実施段階におきましては、東広島市とも連携し、県として必要な後押しを行ってまいりたいと考えております。  次に、産業構造の変化とリスキリングの推進についての御質問でございます。
     デジタル化の進展等に伴い、企業を取り巻く経営環境が大きく変化することが見込まれる中、デジタル化に的確に対応することにより、基幹産業である輸送用機械や、今後、大きな成長が見込まれる医療・環境関連産業を含む、ものづくり産業はもとより、あらゆる産業がデジタル技術と融合し、さらなる進化を遂げていくものと考えております。  このため、本年四月に広島県リスキリング推進検討協議会を設置し、デジタル化による変化を見据え、今後必要となるスキルや、働きながらスキルを習得するための労働環境や雇用管理の在り方について検討を進めているところでございます。  また、産業構造の変化に伴い、労働市場の流動化が一層進むことが見込まれることから、流動化がもたらす企業や労働者への影響を踏まえ、円滑な労働移動を実現する上で求められる社会システムの在り方等についても、協議会において議論しているところでございます。  こうした議論の中間報告を全国に先駆け来年早々に取りまとめ、さらに、労働市場の流動化を踏まえた対応策について県の取組のロードマップを整理し、来年度、最終報告として公表することとしております。  こうした取組により、産業構造の変化に対応したリスキリングを実践する県内企業の拡大を図り、生産性の向上や新たな価値の創造、成長分野での競争力の強化を積極的に後押ししてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長(中本隆志君) 商工労働局長川口一成君。         【商工労働局長川口一成君登壇】 7: ◯商工労働局長(川口一成君) 三点についてお答えいたします。  まず、半導体サプライチェーン構築に向けた環境整備についてでございます。  「広島県地域未来投資促進基本計画」は、地域未来投資促進法に基づき、税制優遇や金融支援、土地利用の規制緩和など国、県、市町の支援措置の活用が可能となる計画であり、本県の特性や強みを生かしながら、県内企業の投資を促進し、本県経済の持続的な成長を図ることを目的とし、市町と県で共同策定したものでございます。  この地域未来投資促進法につきましては、令和四年度末に期限を迎えることから、現在、国において、この法律の施行状況等の検証が進められているところでございます。  本県におきましても、この基本計画を共同で策定している市町と連携して、事業者のニーズや基本計画の実施状況などについて把握しているところでございまして、今後、これらを取りまとめた評価書を国に提出することといたしております。  現在のところ、市町からは、森林法に基づく残地森林率の緩和特例の新設や市街化調整区域における対象施設の拡充のほか、この法律を活用する際の要件緩和や手続の簡素化などといった要望を頂いているため、令和五年度以降の継続、拡充を国に強く要請するとともに、引き続き、個別具体的な拡充内容について、市町と連携しながら、国と調整を図ってまいります。  また、半導体関連産業の集積に向けましては、水や電力などの基本的なインフラ整備に加え、住環境などの半導体関連企業が活動しやすい環境を国や市町、大学など関係機関と連携し、総合的に整備することが重要であると認識しております。  これまでも、世界的な半導体メーカーであるマイクロンとは、東広島市と国を加えた四者で半導体関連産業が抱える課題等について日頃から緊密に情報共有、意見交換等を行っており、設備投資に対する支援、工業用水や下水処理施設などのインフラ整備、人材確保に対する支援、外国人を含む従業員等の生活環境整備などの対策を行ってまいりました。  さらに、本県も参加している中国地域半導体関連産業振興協議会におきまして、大手半導体関連企業と地域企業とのマッチングなど半導体関連産業の集積強化に取り組んでまいります。  今後も、半導体関連産業の集積やさらなる発展に向け、半導体関連企業が本県で活動しやすい環境整備に、スピード感を持って取り組んでまいります。  次に、半導体関連産業の人材育成及び確保についてでございます。  本県経済にとって極めて重要な半導体関連産業は、関連企業への日常的なヒアリング等を通じて、研究開発者やエンジニアなど幅広い人材が不足している状況であると認識しており、これまで以上に、人材の育成及び確保に取り組む必要があると考えております。  このため、今後、せとうち半導体共創コンソーシアムを設立し、大学生や大学院生に加え、企業の技術者の高度化など、本県の半導体関連産業を牽引する中核人材の育成に取り組んでまいります。  また、こうした取組のほか、本県も参加している中国地域半導体関連産業振興協議会において、高等専門学校や大学の学生を対象とした半導体の魅力発信、半導体関連企業が求める人材のニーズ調査、それに応じた高専や大学における人材育成カリキュラムへの反映など幅広い職種の半導体関連人材の育成強化に取り組んでまいります。  加えて、県内の高等学校におきましては、理数コース設置校やスーパーサイエンスハイスクール指定校で、事実やデータを基に仮説検証能力を身につけるための探究プログラム、工業学科で最先端のデジタル機器を活用できる人材を育成するプログラムを実施しており、さらに本年度から、モデル校三校を指定してSTEAM型カリキュラムの開発を行っております。  今後も引き続き、科学技術に関わる高度な知識を持った人材の育成のために、小・中・高等学校を通じて、科学技術に対する興味、関心の向上を図ることや、科学的なものの見方や考え方を育てる教育の充実を図ってまいりたいと考えております。  さらに、地元の半導体関連企業などとも連携し、半導体施設等の見学、出前講座、体験学習などの実施も検討してまいります。  こうした取組を積極的に行うことで、半導体関連産業をはじめとした本県の産業が、将来にわたって持続的に発展する、イノベーション立県を実現してまいりたいと考えております。  三つ目は、雇用流動化への対応についてでございます。  デジタル化の急速な進展が、本県産業に大きな影響を与える中、技術的失業を防ぐためには、中小企業も含めたあらゆる企業においてデジタル化に対応したリスキリングを推進していくことが重要であると考えております。  本年三月に県内の企業、団体等を対象に実施した実態調査におきましても、デジタル技術を活用する上での課題として、四〇・八%の企業がデジタル技術の活用に必要な人材の確保ができていないことを挙げております。  こうした状況の中、まずは、デジタル人材になり得る県内企業で働く方のデジタル基礎知識の底上げを図るため、本年四月より、ITパスポート資格の取得支援を開始し、これまでに二千六百人を超える申請をいただいているところでございます。  また、習得したデジタル基礎知識を土台として、より高度なデジタル知識、スキルを習得しようとする企業に向けた新たな支援策も検討してまいります。  さらに、リスキリングへの理解を深めるセミナーやリスキリングの実施方法を習得する研修の実施により、中小企業を含めた県内企業への機運醸成を図っているところでございます。  企業によるリスキリングの取組は、生産性の向上や人材獲得力の強化にもつながり、企業の成長に大きく寄与するものでございますが、県内企業の経営者の皆様からは、従業員のスキルを高めることによる人材流出のリスクについて懸念する声を伺っているところでございます。  このため、リスキリングの実践に当たりましては、従業員のスキル習得の支援に加え、習得したスキルを生かし、成果を上げた従業員を適正に評価、処遇するなど、適切な人材マネジメントにより、従業員のエンゲージメントを向上させることの重要性についても、経営者の理解を深めていく必要がございます。  今後、こうしたリスキリングのメリットや効果的な実践のポイントなどを企業の取組のガイドラインとしてまとめることとしており、県内企業の皆様に、このガイドラインを活用したリスキリングを推進していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 8: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 9: ◯教育長(平川理恵君) 二点についてお答えいたします。  まず、スクールエスの取組と位置づけについてでございます。  スペシャルサポートルームの取組につきましては、学校教育法第一条に定められている、いわゆる一条校の教育活動としての取組でございます。  不登校特例校につきましては、個々の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、柔軟な指導・支援ができるといった意義がある一方、入学、転入することとなった児童生徒は、本来、入学する、または通学していた学校には在籍することができず、一旦、地元の学校を辞めなければならいないということです。そのため、地域に住む人々との交流が減るなど、地域の中で学ぶ機会が制限されることに課題があると考えております。  学校と地域は、パートナーとして連携、協働し、子供たちの豊かな学びや成長を支えることが重要であるとともに、学校と地域が連携、協働することは、子供たちの教育環境の充実に資することにとどまらず、地域の教育力を高め、持続可能な地域づくりにつながるものであると考えております。  本県におきましては、不登校等児童生徒の社会的自立に向けた成長を支援していくため、本年四月、学校外の学びの場の一つとして、スクールエスを新設し、不登校等児童生徒を支援する新たな取組を始めたところでございます。  スクールエスにおきましては、例えば、午前中はスクールエス、午後からは地元の学校に登校するとか、普段はスクールエスで過ごし、興味が持てる学習活動がある場合に地元の学校に登校するなど、児童生徒が居住している地域にある学校と併用することが可能であることから、スクールエスと学校とが連携を取りながら地域とのつながりを断つことなく、支援を行っているところでございます。  こういった考えから、本県といたしましては、現在、不登校特例校による支援は行っておりません。  今後も引き続き、現在のスペシャルサポートルームやスクールエスの取組などを充実させ、不登校等児童生徒の社会的自立に向けて取り組んでまいります。  次に、今後の学校の在り方と不登校支援についてでございます。  スクールエスにおきましては、本人や家庭、学校に係る状況など、不登校に至る様々な要因を持つ多様な児童生徒が利用していることから、必ずしも全ての児童生徒の学校への復帰を目標としているわけではございませんが、児童生徒の状況によっては、社会的自立に向けた成長を支援する過程において学校への復帰も目標とするなど、児童生徒一人一人に応じた目標を定めて取組を進めているところでございます。  このため、学校への復帰を目標にするか否かにかかわらず、スクールエスと学校、それぞれの利用状況や活動の様子などについて地元の学校や市町教育委員会と連携を図り、支援しているところであり、既存の公立学校とスクールエスは同じ方向性で取組を進めていると考えております。  これまでの取組におきましては、例えば、周りとのコミュニケーションが難しい児童に対し、同年代の周りの児童に対し、自己の思いや考えを表現するという目標を設定し、スクールエスの活動の中で内容や方法を選択して、自分の思いを表現できる機会を増やした結果、まず、自分の考えを分かりやすく説明したり、歌やダンスで自分を表現したりするようになり、さらに、自発的に週に何度かは地元の学校へ登校するようになったという姿も見られてきております。  こうしたスクールエスの支援の在り方や考え方を県全体へ普及し、各学校における取組が充実していくよう支援していこうと考えております。  時代の変化に合わせた義務教育の意義の再定義につながるような議論といたしましては、児童生徒が自信を持って成長し、自ら未来を切り開く力を育てていくために大切なものの一つとして、児童生徒のセルフエスティーム、いわゆる自己肯定感を醸成する取組を進めていくことの重要性に注目しており、個別の意欲、関心や学習進度に応じたカリキュラムの在り方について研究を進めているところでございます。  また、その際には、学校と幅広い地域住民や保護者などが協働して児童生徒の教育に当たることにより、学校を核とした地域の活性化や地域文化の醸成が図られるという、義務教育のよさが基盤となると考えております。  例えば、児童生徒のセルフエスティームにつきましては、イエナプラン教育を取り入れている福山市立常石ともに学園では、今年度の全国学力・学習状況調査の質問肢、自分にはよいところがあると思いますかと、先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますかに対して、当てはまる、または、やや当てはまると回答した児童がいずれも一〇〇%という結果になっていると聞いており、個別の意欲や関心、学習進度に応じたカリキュラムのよさを感じております。  県教育委員会といたしましては、引き続き、不登校等児童生徒を含めた、全ての児童生徒の可能性を引き出す学びの実現に向けて取組を進めてまいります。 10: ◯議長(中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 11: ◯議長(中本隆志君) 出席議員五十五名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。渡辺典子君。         【渡辺典子君登壇】 12: ◯渡辺典子君 皆さん、こんにちは。自由民主党広志会・つばさの渡辺典子です。一問一答形式で質問させていただきますので、これより質問席へ早速移らせていただきます。(質問用演壇に移動)  それでは、最初に、官製談合防止法の違反疑い事案に係る調査結果についての質問を行いますので、教育長は答弁待機席へお願いいたします。 13: ◯議長(中本隆志君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 14: ◯渡辺典子君(続) 十二月六日に、教育委員会から官製談合防止法に違反する疑いがあると報じられた事案に係る弁護士による調査についての結果報告がありました。そもそも、この弁護士による調査費に既に一千万円以上支払ったとのことですけれども、あまりにも高額に感じております。何をもってこの費用を妥当と判断したのか、その材料や基準など合理的な根拠があるか、お答えください。 15: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 16: ◯教育長(平川理恵君) 今回の費用の件について、法的な評価を下すためには、教育委員会だけでは判断できず、徹底的な調査を行い、県民の皆様に対する説明責任を果たすためには、必要な経費であったと考えております。 17: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 18: ◯渡辺典子君 なぜ、これを完全に独立した第三者委員会にしなかったのかという疑問はございますけれども、また、弁護士というものは、雇い主の利益を守るために雇うものでございます。県民の視点で、どこまで正当性があり、公平性があるかの判断は何をもってすればいいのかという部分につきましては、今の御答弁では疑いが残りつつも、今回は報告書に沿って質問させていただきたいと思っております。  結論といたしまして、この官製談合防止法第八条及び地方自治法第二百三十四条第二項の違反が認められたとのことです。これは当然あってはならないことです。  報告書では、違反に当たる行為を行ったのは職員であったが、その動機については、見返りの対価などを得るためではなく、教育長の意に沿う契約とするほかないと考えたことだとされており、法的な観点からの悪質性については低いということが報告されました。プロポーザル契約において、故意にその職務に反したという事実はありますが、そもそも職員の主観、忖度による決定が可能なルールそのものに問題があると指摘されており、業務を担当した職員だけがその責任を負うべきではなく、ルールの厳格化を求める提言となっております。さらに、パンゲアとの契約を独占的に継続することに対して、問題意識を持った職員が多数いながらも異論を唱えることができていない体制、組織の内部で軌道修正できなかったその風土に最も大きな問題があると指摘されており、法令違反の原因をつくった最たる責任は、教育長にあると言わざるを得ないことが記されています。  報告書では、教育長の独裁的な組織体制に対する苦言、これが大変目立ちますけれども、その認識について教育長の御所見をお伺いいたします。 19: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 20: ◯教育長(平川理恵君) このたびの調査結果において、職員の側から教育委員会のトップである私に対して忌憚のない意見具申ができ、私はその意見具申に耳を傾けるという組織風土を、私自身が十分に整えることができていなかったことを指摘されております。  その要因についてでございますが、私は教育長着任以来、先導的なモデル事業や高校入試改革などの教育改革に先頭に立って取り組んできたところでございますが、スピードを優先するあまり、結果として、民間活力を活用する手法において、行政として行うべき手続に対する意識が不足していたと考えております。また、現場主義を掲げ、風通しのよい組織づくりに努めてきたところでございますが、職員の声を十分に酌み取ることができていなかったと考えております。  私といたしましては、広島県の公教育を、ただただ、よりよくしたいと、全ては広島県の子供たちのためにと思うあまり、猪突猛進になってしまったと大変反省しております。個々の職員にではなく、私自身のマネジメントに課題があったことが今回の指摘を受けることとなった要因ではないかと深く反省しております。 21: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 22: ◯渡辺典子君 当然、教育長に悪意があって、このことがあったということは誰も思っていないわけです。ですが、先ほどおっしゃっていましたスピードをあまりに優先し過ぎたということでございますけれども、そのスピードを優先するあまり、公平性の部分について欠いた、そういったマネジメントが御自身の中であったということをお認めになるということでよろしいですか。 23: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 24: ◯教育長(平川理恵君) 私は、教育長着任以来、先導的なモデル事業や高校入試改革などの教育改革を行ってまいりましたけれども、民間活力を活用する手法において、行政として行うべき手続に対する意識が不足していたというふうに考えております。 25: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 26: ◯渡辺典子君 マネジメントの部分には課題があるというふうに先ほど御答弁されましたけれども、そのこととスピードを優先したということについては関係がないということですか。 27: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 28: ◯教育長(平川理恵君) スピードを優先するあまり、結果として、民間活力を活用する手法において、行政として行うべき手続に対する意識、マネジメントが不足していたというふうに考えております。 29: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 30: ◯渡辺典子君 私がこのことを何度もお聞きしていることには理由があるのです。それは契約に対する手続に対しての認識が甘かったのではないです。教育長が一番受け止めなければならないことはそうではないのです。御自身のふだんの言動あるいは態度がこのことを起こしているのです。  このスピードを優先しているということを答弁されたことで、一つ気になっていることがあります。以前、これは緒方議員から指摘されています。一年足らずで、義務教育指導課長が二年連続で異動している。前教育長と比べ、校長の交代が年間で約三倍ある。こういったことを職員が萎縮してしまうことの要因として、非常に御心配されて、当時指摘されています。そして、このことで教育長は、スピード感を持って今の教育改革を何としても行いたいのだという思いが強いから、こういったことを行っているというふうな答弁をされているのです。  この報告書に書かれていることを何の忖度もなく読み解いていきますと、これは教育長自身が行ってきた、こういった判断、そういったもので職員が萎縮したことによって起こったことではないのですか、そういった認識はございますか。 31: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 32: ◯教育長(平川理恵君) スピードを優先するあまり、今回、行政として行うべき手続に対する意識が不足していたというふうには思いますけれども、人事に関しましては、適切に行ってきたものというふうに考えております。 33: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 34: ◯渡辺典子君 当然、教育長の思いとしては適切に判断されてきたというふうに思いますけれども、では、その異動というのは正当であるということの判断基準において、それは組織内で納得感を持って共有されていたという根拠は示していただけますか。 35: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 36: ◯教育長(平川理恵君) 今、手持ちで根拠を示すようなものがございませんので、お答えすることができません。申し訳ございません。 37: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 38: ◯渡辺典子君 報告書の中で言われていること、ここは絶対読み飛ばしてはいけないのですけれども、教育委員会の人事を含む業務全般に関する権限を教育長が有することからすれば、職員がこのように萎縮し、教育長の意向に沿う、それ以外の道はないと思い詰めた、その原因であるとはっきり書かれているのです。ですから、これは言うならば、教育長の人事を含む、そういったことの権限を振りかざしたパワハラを疑わないといけないのです。今回の報告書というのは、それだけの重いものです。どんな思いで週刊誌に職員がこれを内部通告したのですか。ほかに方法がないと思ったからではないのですか。その思いはしっかりと重く受け止めるべきです。  そこで、知事にお伺いしたいと思いますけれども、知事は、これまでこの責任については、任命権者でございますけれども、あまりその責任についてのお話ということはされてきませんでした。これは教育委員会内で起こったことですけれども、そのトップである教育長が自らの処分を考えて、職員を処分するというのは、あまりにも組織として破綻していると言わざるを得ないので、これは任命権者である知事がその処分を判断すべきことだと思いますし、また、この報告書の中で、こういったパワハラを疑わざるを得ないようなことが起こったということは、コンプライアンスの内部調査などをして、今後、知事が処罰の判断をすべきと思いますけれども、その責任についてお答えください。 39: ◯議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。
            【知事湯崎英彦君登壇】 40: ◯知事(湯崎英彦君) 今、議員御指摘の処分ですけれども、誰の処分のことをおっしゃっているのか明確ではないのですが、教育委員会内の処分につきましては、私が権限を持っているものではございません。それは私が処分できないわけであります。また、教育長については、今回、県民の皆様の不信感を招く事態となったことは私も非常に遺憾だと思っておりまして、大変重く受け止めているところでございます。  繰り返しになりますけれども、職員の処分につきましては、教育委員会におきまして、今回の調査結果を踏まえて対応する必要があると考えておりますし、教育長については、必要な改善と、それから県民の皆様への説明に全力で取り組むことによって、教育長としての職務責任を果たすよう、私どもとしても求めてまいりたいと考えているところでございます。 41: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 42: ◯渡辺典子君 そうなりますと、今回の処罰の権限は、知事にはないという御答弁でしたけれども、そうでしたら、今回のこの法令違反の事実認定を受けまして、誰にその責任があって、その処罰について誰にその判断が委ねられることになるのか、お答えください。 43: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 44: ◯教育長(平川理恵君) 今回の調査におきまして、法令違反を生起させた原因として指摘されました組織風土についての問題は、教育委員会という組織の根幹に関わる極めて重たい指摘を受けたところでございます。まずは、指摘された原因等の改善に向けて再発防止に真摯に取り組み、体制づくりを進めていくことで、しっかりと責任を果たしてまいりたいと考えております。  あわせて、組織風土を整えるための最たる責任は、組織のトップである私にございまして、先日の畑石議員の質問において、私としておわび申し上げたところでございます。私自身を含む職員の処分につきましては、懲戒処分の指針などに照らし、厳正に対処していきたいというふうに思っております。 45: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 46: ◯渡辺典子君 自らの処分の判断を自らでするという御答弁でしたけれども、それはあまりにも組織として破綻していると思いますし、また、内部からの不満というものは拭い切れないのではないかということは大変心配いたします。  また、過去には、広島高速五号線の問題で、その契約に不適切なやりとりがあったことを認め、広島高速道路公社の所長が辞任することでその責任を果たされたことがございます。官製談合防止法の違反とは認められませんでしたが、当時の所長は、問題となった契約後に就任されていた経緯から、その責任を一手に受けたことについて同情的な見方がございました。教育長におかれまして、今後どのように責任を取っていかれるのかということは、教育長に御判断願いたいと思います。  続いて、公募型プロポーザルの契約について、先ほど対策についてのお話もございましたけれども、このことについて聞いていきます。  報告書の中では、公募型プロポーザルのルールそのものについても問題がある趣旨の指摘がされています。公募型プロポーザルは、金額ではなく、アイデアを競わせる手続ですが、それゆえに審査基準が抽象的になりやすい性質があると思います。本来であれば、評価の納得性や公平性を十分に担保したことが分かるよう、手続の際には厳重な配慮がされるべき契約方式です。それにもかかわらず、選定委員会の議事録の有無がまちまちである上、各選定委員の自己の評価点の理由についても記録がなかったということです。本調査の対象だけを見てもと、弁護士が言及されていますけれども、この言い回しですと、常習化していることが示唆されているようにも見受けられます。  そこで、今回の調査対象以外の契約に関し、議事録や記録がそろっていない案件はどの程度あるのでしょうか、具体的にお答えください。 47: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 48: ◯教育長(平川理恵君) 令和二年度から現在までの期間におきまして、教育委員会が実施した公募型プロポーザルにより契約の相手方を選定した案件は、合計十七件でございます。このうち今回の調査対象とした契約は四件ございまして、そのうち三件で、議事録や記録がそろっておりませんでした。また、これ以外の十三件につきましては、議事録等の記録を作成していないものが八件ございました。 49: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 50: ◯渡辺典子君 そうなりますと、合計で十一件ということです。十一件が公平性を欠いた契約となっている可能性があるというふうに考えられますけれども、これは公契約に対しての認識があまりにも低いと言わざるを得ません。県の公契約上のルールにさえ従っていれば、事実として、公平性を脅かしていても問題にはならないと考えたことによって起こったことなのですか。お答えください。 51: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 52: ◯教育長(平川理恵君) 議事録などの作成につきましては、公募型プロポーザル事務処理要領において義務づけられておらず、担当職員がその重要性について認識していなかったためでございます。議事録などは審査が公正に行われたことを認識するために重要なものというふうに考えてございます。そのため、議事録などが整備されていないことは大変大きな課題と認識しております。  今後、課題も踏まえて関係部局とも連携しながら対応を検討してまいります。 53: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 54: ◯渡辺典子君 この報告書に職責に反しという言葉がありますけれども、私が先ほどお聞きしたのはこの部分です。ですから、皆さん方は、その全ての行為、職務に対して、常に公平、公正でいなければならないということについては、これは前提のルールなのです。だから公契約の中にそのルールがなかったからいいという問題ではないのです。今はそのことを指摘しているのです。  ではなぜ、その記録が残っていなかったのかということについては、問題意識が低かったという認識をされているということでございますけれども、これは、選定委員の主観によっていかようにでも評価点を決めることができるリスクをはらんでいる、それを重く受け止めなければならないということを強くこの報告書では指摘されています。まさに、この状況が不公平な相手方を選定できた要因となっています。また皆さんの意識が常々そうなのであれば、この十一件はきちんと調査しないといけません。  名簿外の契約があまりにも多いことについては、私も決算特別委員会で指摘させていただきましたけれども、これは、今指摘したように、公契約に対する認識の低さの表れではないかという心配から来るものでした。公契約のルールには問題はなく、公平性は担保できていると御答弁されておりましたけれども、それは実際事実に反していたということです。大変残念に思っています。まず、こういった提言を受けて行うべきは、公募型プロポーザルのルール、運用の検証と見直しではないでしょうか。  土木事業など、安全性や技術面での誰が見ても公平に基準が数値化できる性質の事業と異なり、教育委員会の事業は、何をもって優れている教育と評価するかの判断基準が主観的になりやすいという性質があります。そのことを踏まえますと、安易にアイデアのみを競うような公募型プロポーザル契約を教育委員会では導入すべきではないのかもしれません。  当然、これからルールや運用方法の見直し、議事録の徹底などについて改善を図るための検討がなされ、議会にもその改善策が提案されることと思いますけれども、それまでの間だけでも、私はこのプロポーザル契約の運用を一時的にやめることを提案いたします。教育長のお考えをお尋ねします。 55: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 56: ◯教育長(平川理恵君) 公募型プロポーザルによる契約は、契約の内容が専門的な知識、それから技術が要求されるもので、提出された企画提案に基づいて仕様を作成するほうが優れた成果を期待できる場合に行うこととされておりまして、事業者選定における効果的な手法であると考えております。  今回、その手続におきまして不適正な行為があったものと認識しておりまして、関係部局とも連携し、改善を図った上で、公募型プロポーザルを実施してまいりたいと考えております。 57: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 58: ◯渡辺典子君 この報告書では、その契約する能力がないと指摘されているのです。その認識が低い今の教育委員会には、その事業契約をするだけの能力がないと指摘されているのです。私も全くそのとおりだと思います。自らの行為が官製談合に当たるかどうかの判断すらできないような組織に、このことを任せられません。あなた方の契約内容が何をもって正当なものなのか。それを我々は今後どのように判断したらいいのですか。お答えください。 59: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 60: ◯教育長(平川理恵君) このたびの調査結果におきまして、教育委員会にも内部通報制度はあるものの、機能しておらず、教育委員会による自律的な是正の機会を欠いていたこと、契約事務に関する知識を身につける機会がないまま、指導主事が事務職員とともに契約事務に携わっており、教育委員会の職員に公正な契約手続に関する知識が十分に浸透していなかったことなどが指摘されております。  この課題につきましては、教育委員会からの独立した外部の通報窓口の設置や通報窓口の職員への周知、事業の初期段階から指導主事と事務職員がチームとして動くことを徹底させること、年度初めに、本庁職員を対象とした契約事務説明会を実施することなどの対策を早急に講じ、改善を図ってまいりたいと考えております。 61: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 62: ◯渡辺典子君 そういうことではなくて、事業の契約をする、その公平性を担保できるだけの知識、能力が組織にはないというふうに判断されたのです。ですから、あなた方にはその資格はないです。  そこで、遅くとも二月定例会までに、この事業契約に関し、皆様が安心し、信頼を持てる具体的な対策を議会に提案していただけますでしょうか。約束してください。 63: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 64: ◯教育長(平川理恵君) 先ほど御答弁申し上げましたけれども、信頼の持てる事業契約に向けた具体的な対策としてお話しさせていただきました。すぐに取り組めること、それから今後取り組んでいくことを十分に検討して、改善に向かって努めてまいりたいと考えております。 65: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 66: ◯渡辺典子君 今回のことで、最も残念に思っておりますのは、教育委員会という組織が、子供たちではなく教育長のほうを向いて、あるいはそうせざるを得ないと思い詰めて仕事をしているという実態が事実としてあったことです。ここまで問題が大きくなったことは、人間関係という一言で済む問題だとは私は思えませんし、一部の職員間における確執だと楽観視していい話ではないと思っています。どうせ意見しても無駄、意見したところで自分が損をするだけ、そう思わせる言動と態度がある。これは事実です。  先ほども申し上げましたけれども、一年足らずでの人事の異動、こういったことを、当然、教育長は、それが広島県教育のためだと悪気があってやったわけではございません。そのことについては、悪気があったとは当然思っていないです。ですが、そういった行為が、職員を萎縮させることになったということはやはり事実なのです。  そして、このことは教育委員会に限らず、全庁的に県民のためではなく知事のために仕事をしなければならないと思い詰める職員がいないだろうかということは、知事もこれを機に振り返っていただき、これまで以上に謙虚に、職員の皆さんの意見に耳を傾けていただきたいと思っています。  知事や教育長は、権限が多岐にわたります。あまりにも強大なのです。組織の体制的に、知事や教育長の主観による評価での人事に偏りやすい性質、危険性をはらんでいることについて十分留意していただきたいと思います。知事や教育長の意に沿わない意見を言うと人事に関わることになるのではないかと、漠然と不安になる職員がいて、意に沿う以外にないと思い詰めないとは言い切れない環境であることは、これは全庁的に考えられます。  そこで、知事におかれましては、職員それぞれの力が十分に発揮される組織づくりのための公平な規定や仕組みを設けるなど、先ほどコンプライアンスということを言いましたけれども、今回のことを機に、内部調査などをされてはいかがかと思っています。そういった組織体制の根本的な課題にメスを入れることをもって、今回の問題の責任を果たしていただきたいと考えておりますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 67: ◯議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 68: ◯知事(湯崎英彦君) 県庁組織におきまして、職員それぞれの力が十分に発揮され、県民の皆様の信頼と負託に応えて、よりよい県政を推進していくためには、業務遂行に当たる職員一人一人がモチベーションを高く持って業務に取り組むとともに、率直に意見を出し合い、自由闊達に議論できる職場環境をつくっていくことが重要であると考えております。  このため、職員の多様な意見や考え方を許容する組織風土の醸成に向けて、率直に意見を出し合い、生産的な話合いが行える、心理的安全性が確保された職場づくりなどに取り組んでいるところでございます。  こうした取組を通じて、今後とも職員一人一人が自らの能力を最大限に発揮し、活力を持って業務に取り組むことで、県全体の組織パフォーマンスの向上を図ってまいりたいと考えております。 69: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 70: ◯渡辺典子君 具体的なお答えは全くいただけませんでしたけれども、今回、このように全ての権限を持っているトップ自身に問題があったときにどうするのかということが起こったのです。そのことを解決しなければいけません。内部通報というようなことをおっしゃっていましたけれども、教育長の不正を、誰が、どこに言えるのですか。自分の人事に関わるかもしれない。そういう不安を持った中で、きっと断腸の思いで週刊誌に内部告発されたのだろうと思います。これは、意見を自由に言い合うというようなことで解決できるようなことではありません。具体的な対策をしっかりと考えてください。  時間があまりございませんけれども、次に、青少年健全育成条例の改正についてお聞きいたします。  決算特別委員会において、時間の都合上、お聞きすることができなかったので、児童の性的搾取等の撲滅に向けた取組、とりわけ青少年健全育成条例の改正についてお伺いいたします。  青少年の性犯罪被害件数は毎年減少傾向にあるにもかかわらず、SNSに起因した被害児童数は増加傾向にあり、令和三年は全国で一千八百十二件となっています。また、児童ポルノ事犯における被害対応別では、児童が自ら撮影した画像による被害、いわゆる自画撮り被害が最多の三五・三%を占めるとともに、近年五年間は、被害者数が五百人台で推移するなど、児童を守るための対策が急務と言えます。  これだけを聞くと、そのような写真を自ら送る子供も悪いのではという意見が聞こえてきそうです。しかし、これは子供の未熟さ、弱さ、寂しさに付け込んでだましている大変悪質で卑劣な犯罪です。子供たちは、会ったことがなく、その正体が全く分からない人であっても、SNSが生活の一部として育った背景からか、SNSで知り合った人を信頼しやすく疑わないのです。さらに、こういった相談を受け付けたときには、送った裸の画像がネット上で拡散されてしまった後で、半永久的にデジタルタトゥーとして残ってしまうようなケースも多発しています。自画撮り被害とは、子供たちの尊厳を生涯にわたって著しく損なうことになりかねない、あってはならない大変悪質性の高い犯罪です。画像が悪意ある大人の手に渡る前に防がないと意味がありません。  しかし、現行の児童ポルノ法では、画像の提供があってからでしか警察による取締りができません。未遂規制がないことが問題視されていました。こうした情勢や課題を踏まえ、未然防止の観点から、東京都を皮切りに、今では三十七都道府県において、自画撮りした画像を求める行為そのものを規制し、罰則をつける条例改正が行われています。  私には、なぜ広島県が条例の改正をしないのか、理由が全く分からないのです。  条例には、行為全般型と行為制限型の違いがありますが、どの県も先駆けて改正した東京都や兵庫県の内容に倣うものとなっており、提案から一年と早期に改正された例もあるほど、賛否の議論が分かれるような要素が低いもののように思います。これは広島県の子供を守るための条例改正です。誰にとってもデメリットはないように思えてならないのです。五年前に指摘してすぐにその準備に取りかかるものと信じていただけに、大変残念に思っております。制度をつくることなく、普及・啓発活動をするという答弁は、自画撮り被害の問題に対して、県は介入しないと言っていることと同義だと捉えています。  そこで、知事にお尋ねいたします。以前もお聞きしておりますけれども、広島県はどのようなやり方で、効果的に性的搾取の撲滅に取り組まれようとされているのか、お伺いいたします。あわせて、その根拠もお聞かせください。 71: ◯議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 72: ◯知事(湯崎英彦君) 自画撮り被害は、児童生徒の人権を著しく侵害するものであり、その要求行為は決して許されないものと認識しております。被害を防ぐ対策を徹底して行う必要がございます。本県の被害状況を見ますと、今年十月末までの児童ポルノ事犯の被害者数は、前年同期比で十三人増加し、五十六人となっており、このうち自画撮りの被害者数は二十二人と、大変憂慮すべき状況にあると考えております。これまで児童が被害に遭わないことが重要であるという考え方の下、全ての国公私立学校の小学校四年生から高校生に、自画撮り被害防止に関する啓発資料を配付するなど、児童生徒や保護者に対する未然防止対策を推進してきたところでございます。  今後は、法律や条例による抑止効果や効果的な未然防止策について、有識者などの御意見を伺いながら研究を進めるとともに、対策の実効性が高まるよう、県警察や教育委員会などと連携して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 73: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 74: ◯渡辺典子君 条例の改正についてのお考えをお尋ねしているのです。県としては、これを条例として、子供たちを守るというお考えはあるのかということを聞いているのですけれども、もう一度お答えいただけますか。 75: ◯議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 76: ◯知事(湯崎英彦君) 繰り返しになりますけれども、今後は法律や条例による抑止効果や効果的な未然防止策について、有識者などの御意見も伺いながら研究を進めていきたいと考えております。また、同時に対策の実効性が高まるよう、県警察や教育委員会などと連携して取り組んでいきたいと考えているところでございます。 77: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 78: ◯渡辺典子君 その研究ということを一言でおっしゃられるのですけれども、これを私は五年前にもお聞きしておりまして、答弁として五年前と全く変わらないということが事実でございます。また、この五年間では何を行ったのかということについて、事前にお聞きしておりますけれども、どうしてもこういった事犯はプライバシー性が高いということで非公開のことが多く、なかなか効果による検証が困難であるということが分かりましたということを事前にお聞きしております。これは、かいつまんで申し上げますと、何も分からないことが分かったということをおっしゃったのです。ですから、その分からない研究というのを今後進めていくということに一体何の意味があるのかと思っているのですが、環境県民局長、これからどのような研究をされるのですか。 79: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。         【環境県民局長新宅郁子君登壇】 80: ◯環境県民局長(新宅郁子君) これまで条例改正を行った都道府県における改正条例の内容、審議会などで出された意見、一定期間を経過した後の効果などについて研究を進めてまいりました。  条例改正を行った都道府県では、検挙件数や事案の具体的な内容は非公表とされていることから、ヒアリングなどにより可能な範囲で条例の効果と課題の把握に努めてまいりました。  例えば、東京都などの規定は、禁止対象を威迫などの方法により自画撮りの要求行為を行った場合に限定し、その行為に罰則を科すもので、様々な方法で要求行為がある中で対応可能な事案が限定されるのではないかなどの意見がございます。また、兵庫県などでは、あらゆる自画撮りの要求行為を禁止し、悪質性の高い場合に罰則を科すもので、要求段階では実際に被害が生じていないため、過剰な規制にならないかなどの意見がございます。  こうしたことから、引き続き、どのような行為を禁止するのか、どのような罰則が適切かつ有効であるのか、違反となる行為をどのように把握するのか、行為違反者が県外の場合にどう対応するのかなどにつきまして、研究を進める必要があると考えております。 81: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 82: ◯渡辺典子君 当然、条例というものは完璧である必要はないと思っているのです。事犯自体が非公開であるということも、やはりどうしてもプライバシー性の高いことですから仕方がないことだと思いますので、我が県でやらないことにはその実態の把握なんてできないのではないかと思うのです。まずは、その一歩を踏み出して、そしてさらに我が県にとっていいものにしていくという手法がどうして取れないのですか。 83: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。 84: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、他県におきましては、様々な議論があるというふうに伺っております。ヒアリングの中でお聞きいたしました課題や効果等につきまして、さらに深掘りをしていく必要があると思っております。 85: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 86: ◯渡辺典子君 局長のおっしゃっていることはよく分かるのですけれども、そうではなくて、局長がおっしゃっている答弁は、条例を改正できないことの理由にはならないのです。改正できないとなるのであれば、例えば、それこそ予算がないということであったり、法的な手続上難しいということがあったり、そういった物理的、技術的といった面でできないという理由を示していただきたいのです。 87: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。 88: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 自画撮り被害につきましては、児童生徒の人権を著しく侵害するものであり、その要求行為は決して許されないという点で、被害を防ぐ対策を徹底して行う必要があるというふうには考えております。  このため、県におきましては、これまで未然防止の取組をしっかりと行うとともに、相談窓口の周知なども行ってきており、この条例につきまして研究を進めてきたところでございます。  また、全国的な課題でございますことから、国に対しまして、要望等につきましても行ってきたところでございます。引き続き、どのような行為を禁止するか等、先ほども申しましたような点につきまして、研究してまいりたいと考えております。 89: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 90: ◯渡辺典子君 今のお答えですと、できない理由はないがやらないと言っていることと同じなのです。国に法整備を要望されているということですから、このことについての問題意識はあるということだと思うのですけれども、では、このまま放置してもいいのかということなのです。これを放置するのであれば、国の法整備に従うべきであって、他の都道府県、今、三十七都道府県で条例が改正されていますけれども、そのことは全く間違ったことをやっていて、法整備を待つことが正しいとする根拠を述べなくてはならないのです。それか、別の角度で、これよりももっといいとされる対策を提案すべきです。どうやって子供たちを守るのかについて何もお答えになっていない。答えてください。 91: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。 92: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 繰り返しになってしまいますけれども、自画撮り被害につながる要求行為につきましては、決して許されないものであります。  犯罪の抑止につきましても必要と考えておりまして、自画撮り被害につながる要求行為の規制につきましては、国に対して法整備の要望を行うとともに、法律や条例の抑止効果などについて、引き続き、研究を進めていきたいと考えております。 93: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 94: ◯渡辺典子君 問題であるということは認識していただいているということですけれども、では、このことを具体的にどういうふうにされていくのかということについては、今後どこかのタイミングで提案していただけるということはありますでしょうか。 95: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。 96: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 今後は、法律や条例による抑止効果や効果的な未然防止対策について、有識者などの意見を伺いながら研究を進めるとともに、対策の実効性が高まるよう県警察や教育委員会などと連携して取り組んでまいります。 97: ◯議長(中本隆志君) 渡辺典子君。 98: ◯渡辺典子君 日本はそもそも児童ポルノ帝国というふうに他国からやゆされておりまして、他国に比べ規制が甘いということは事実です。憲法第二十一条で保障されている表現の自由が幅広く適用されていることが要因ではありますけれども、先進国においては搾取の考え方が優位であり、日本のアイドルグループが、学生服のような衣装を着ることさえも眉をひそめるのが、グローバルスタンダードのようです。  例えば、イギリスでは、性的な意味に捉えられる内容の通信を十八歳以上の者が十六歳未満の者と行う行為を性犯罪法により禁止しております。これは最長二年の懲役、禁錮、拘留などの自由刑が科せられるそうです。ドイツでは、児童ポルノ所持の取得の企図が禁止され、十四歳未満の児童が被写体の場合、三年以下の自由刑、または罰金刑になります。アメリカの連邦法では、メールなどを用いて十八歳未満の者に淫らでわいせつな行為に従事するよう故意に勧誘や誘惑、またはそうしようとした場合、二十五万ドル以下の罰金、日本円だと約三千四百万円及び、少なくとも十年の拘禁刑あるいは終身刑といった大変重い罪になっています。特筆すべきは、未遂と実行とで大きな差はなく、いずれも非常に厳しい罰則となっていることです。こういった他国の例もしっかりと留意されながら、グローバルな視点でこのことを今後考えていってほしいと思います。時間がなくなってしまいましたので、ここで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    99: ◯佐藤一直君 議長、関連……。 100: ◯議長(中本隆志君) 関連質問を許します。佐藤一直君。 101: ◯佐藤一直君 先ほど、我が会派の渡辺議員より、知事に対して、任命責任について質問しましたけれども、質問の趣旨がちょっと伝わっていなかったようなので、改めて質問したいと思います。  任命責任ということですけれども、平川教育長は知事が連れてきた教育長です。前の教育長と違って、内部から登用されてなった教育長ではなく、横浜のほうで民間出身の中学校の校長先生として活躍されていた方を知事がオファーして連れてきた。そういう経緯があるわけです。さらに言えば、もう平川教育長は二期目なわけです。これが一期目であれば、外部から来てどうなるか、リスクが裏にあるかもしれないが連れてきたという部分で言えばしようがないのかもしれないのですけれども、二期目なのです。一期目の三年間を見て、その上でもう三年、二期目を続けてもらうという判断を知事としてされたのだろうと思うのです。それがどういう判断だったのかということなのだろうと思うのです。  この二期目の再任に関して言えば、知事が再任するということを我々議会に提案されました。そのとき、私も含めて我々の会派は反対しました。なぜ反対したかというと、その三年間の教育長のやり方が、これは納得できない、このままもう三年間教育長に任せるわけにいかない、これは絶対に反対しようということで反対しました。そういう部分で、知事がどういう判断をしたのかというところがやはり問題だと思うのです。我々としては反対した理由として、その直前に、教育長は、安芸高校や呉昭和高校を突然、募集停止にされました。もう廃校になります。そういう血も涙もない本当に非情な判断をされた。そういうところに納得いかないし、ずっと私は議会でも言っていましたけれども、高校生のタブレットに関して、小中学生は、国が公費として負担する。それに対して、広島県の高校生は、ノートや鉛筆と一緒だから保護者が負担してください、買ってください。さらに言えば、買うことができない困窮世帯には対応しますと言われましたけれども、その対応は、取りあえず先に入学時に買ってください。そのお金は、三年間で三分割で渡しますからというとんでもない支援策というのを出されました。また、教育長就任の一年目から我々の会派としては、教員不足の問題もありました。それに対して正規教員を増やしてくれとずっと言い続けてきました。広島県の正規教員の人数を含めたフルタイムの教員の割合が全国でワースト一位だと。そんな環境だと。それを改善してくださいとずっと言い続けてきて、何も改善されなかった。そういう面を見て、我々は教育長の再任は許せない。そう思って反対しました。  そして、一番の我々のもっともな理由なのですけれども、それは、今回の弁護士の報告書に載っていたことなのです。教育委員会の組織風土が、教育長が言うことを聞いてくれない、教育長が下の言うことを聞かない、教育長に意見が言えない。そういう風土があるというふうに報告書に載っていましたけれども、それは三年間で我々は聞いていたわけです。だから反対したのですけれども、ここで知事は、教育委員会にそういった組織風土があったのを認識していたのかどうなのか。それを認識していた上で、目をつむってでも教育長にやってもらわないといけないということで再任を出したのか。それとも、そんなことは聞いていなかったということなのか。どっちなのか、それをお答えください。 102: ◯議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 103: ◯知事(湯崎英彦君) まず、教育長の任命でございますけれども、前教育長についても、私が選択して議会に提案させていただいております。現教育長も同様でございます。その上で、教育委員会における風土の問題といいますか、組織文化の問題については、私は従前から、この現教育長ではなくて、以前から改革の必要性があるというふうに考えていたところでございます。現教育長は、それについて一定の努力をしていただいていたものというふうに認識しております。  私のところに、教育委員会が様々な形で説明に来ることがありますけれども、現在において、以前より比較的に各担当がしっかりと発言するといったようなこともございます。そういったことを勘案しながら、私は現教育長の任命について御提案させていただいたところでございます。 104: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 105: ◯佐藤一直君 今の発言は少し問題ではないかと思っているわけです。前から教育委員会の組織にそういう風土があるというのを認識しているにもかかわらず、新たに来た教育長はそれに輪をかけて、対応していないということが弁護士の報告書で出ているわけです。その三年間は何だったのか、もう今は五年目に入っています。ただ、残り一年ちょっとしかないわけですけれども、この改革は、もう一朝一夕ではできないと弁護士が報告されています。さらに、この一年ちょっともこのまま任せるのかどうかというのが、任命責任というより、これから知事としてどうするのかというところが問われているのだろうと思います。今は、教育長が自らどうこうする話ではなく、知事がどう判断して、これから三期目という話ではないのですけれども、二期目の残りの一年ちょっとをどうするかというステージに立っているのだろうと思うのです。だからこそ、我々の会派としては、それを知事として判断してもらいたいということを忠告したい。そういう話で先ほども質問させてもらいました。引き続き、この件はほかの場所でも追及していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 106: ◯議長(中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。休憩後の会議は、午後二時十五分から開きます。         午後二時休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時十六分開議 107: ◯議長(中本隆志君) 出席議員五十四名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。竹原 哲君。         【竹原 哲君登壇】 108: ◯竹原 哲君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の竹原です。今時定例会において質問の機会を与えていただき、中本議長をはじめ、先輩、同僚議員に心より感謝を申し上げます。知事の前向きな御答弁をお願いいたしまして、早速質問に入ります。  今年六月定例会において、農林水産委員長を拝命し、広島県の農林水産業の重要性と誇りを再認識するとともに、昨今のコロナ禍や物価高騰に伴い、生産者の皆様から、自助努力だけでは越えられない壁に、知事をはじめ、県農政も共に挑んでほしいという声を多く聞かせていただき、改めてその重責を感じております。微力ながら、恩返しの意味も込め、第一問目の質問として、本県の第一次産業の振興強化について、三点伺います。  一点目は、県産食材の生産者への支援とブランド力の強化についてです。  五年に一度、全国規模で開催される、全国和牛能力共進会主催の和牛品評会に、我が会派の小林議員や山口議員と共に、応援と勉強のため、今年十月、鹿児島県へ行ってまいりました。  県立庄原実業高等学校が飼育された一頭を含む計二十一頭が、広島県の代表として全国四十道府県の四百三十八頭と和牛改良の成果を競い合い、結果、庄原実業高等学校を含む六頭が種牛の部等において優等賞に輝きました。高校生にとっても、今後のモチベーションにつながる貴重な成功体験になったとともに、今後の大切な担い手の育成に資する大変いい機会であると感じました。  また、脂肪の質部門では、東広島市安芸津町の野山牧場の一頭が、全国三位を獲得されました。県が十年前から研究を進めてこられた、単なる脂肪の多さではなく、口当たりのよさや独特の風味を生む、オレイン酸など一価不飽和脂肪酸の比率を指標とする、脂肪の質を高める品種改良が成果に結びついてきたものです。この間の、県やJA、そして生産者等、関係する皆様の御努力、御尽力に敬意を表し、称賛したいと思います。うれしいことに、その牛は、JA全農ひろしまが競り落とされ、価格は通常の広島牛の約三・五倍であったとの報道もあり、まさにブランド力の強化につながるものと期待しております。  そして、最高のお肉を使った食事に欠かせないのが日本酒です。広島にはおいしいお酒がたくさんあります。私はたしなむ程度しか飲めませんが、この酒造りの源となるのが酒造好適米です。  広島県では、農業技術センターが、広島県酒造組合連合会などの協力を得て、一九九〇年から十年近い歳月をかけ、大吟醸酒の酒米山田錦の特性を生かしつつ、広島の気候風土に適するように育成した広島オリジナルの新品種、千本錦を誕生させました。千本錦は山田錦に比べ、草丈が十センチメートル程度低いので倒れにくく、一週間ほど早く収穫できることから、栽培農家にも歓迎されています。その千本錦を使ったお酒は県内の酒蔵で使用され、全国の大吟醸酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会においても、高く評価されています。  さらに、温暖化に伴う夏場の高温障害に強い品種の開発に、県が他機関と連携して取り組まれ、令和に入って生まれた酒米が、広系酒四十四号と四十五号です。新しい品種のため、この酒米で日本酒を造った酒蔵は、県内でもまだ三つですが、食品工業技術センターでは、広島県の清酒の品質向上と、県内酒造会社の新商品開発の支援などを目的として試験醸造している清酒、明魂の黒ラベルとして、今年販売されました。私も購入させていただきました。正月に家族と、豊かな味わいを楽しみたいと思います。  このように、県内では、付加価値の高い酒造好適米の生産が進み、広島の酒としての魅力も高まっていると感じる一方、コロナの影響により、飲食店利用者が減ったことで、日本酒の消費量が減少し、それに伴い、県内の酒米の生産も、令和三年の作付は、コロナ前と比較して約四割の削減となっているという厳しい現状もうかがえます。  和牛や日本酒のほかにも、県内には、カキや瀬戸内の地魚、レモンやハッサク、そして、県内一の生産量を誇る、安佐南区川内地区の広島菜など、魅力的な食材がブランドとして認知されていますが、それぞれに切実な課題を抱えています。その課題に耳を傾け、一つ一つのブランドをつなぎ、大きな輪にしていくことこそ、広島県が担う役割ではないでしょうか。  県では、肥料や飼料、燃料の高騰に対する支援、広島和牛経営発展促進事業、ひろしま給食推進プロジェクト、「飲んでみんさい!広島の酒クーポン」など、生産から販売までを一体的に支える様々な支援策を工夫しながら講じてこられましたが、広島の宝を持続的に守り、ブランド力を強化するためには、現場の声を丁寧に吸い上げ、先手を打っていくことが求められています。  そこで、昨今の社会情勢により生じている、事業者の努力だけではどうにもならない事態への支援を、県としてきめ細かく対応いただくととともに、県産食材のブランド力の強化や、販売促進につながる仕掛けづくりを、関係団体とのより一層の連携の下、県庁一丸となって、取り組んでいただく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、農水産品の輸出促進についてです。  先ほどのブランド力の強化と併せて、サミットや円安を契機とした、農水産品の輸出促進につながる戦略的な仕組みづくりも加速していく必要があると考えます。  その一つのツールになるのではと考えているのが、GAPという取組であります。これは、農産物の安全を確保し、よりよい農業経営を実現するために、農業生産において、食品安全だけではなく、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保する生産工程管理に取り組むもので、国は、二〇三〇年までに、ほぼ全ての国内の産地で国際水準GAPを実施することを目標に掲げておられます。この生産者のGAP認証取得の促進に向けた取組については、昨年九月に、我が会派の山下議員からも質問され、私もその後の動向を注視してまいりましたが、県主催の研修会や個別の技術支援等を行われてきたものの、今年五月時点の本県の認証取得者数は六十六経営体にとどまり、県民の認知度も低迷しています。  GAPを導入することで、生産管理、効率性、農業者や従業員の経営意識、それぞれの向上につながる効果があり、農業経営の見える化や生産工程のリスク管理にも資する経営基盤を構築する重要な取組であると認識していますが、高齢化が進む農業経営体に、GAPといきなり横文字を使っても、その浸透は望めません。目的と手段を間違えないように取り組んでいくことが重要ですが、市場や消費者を巻き込んで差別化を図るなど、認証のメリットを明確にすることで、取得者数も必然的に伸びていくのではないでしょうか。  また、持続可能な農業生産が客観的に証明されるGAP認証を受けることにより、世界への流通につながると思います。来年五月の広島サミットを契機として、海外にも通用するGAP認証取得に向けた、継続的な支援をお願いします。  さて、サミットでは、主要国の政治リーダーだけではなく、世界各地から、政府関係者や報道関係者も多数訪れ、世界中の多くの人々の注目が集まることから、本県の食の魅力を発信する絶好の機会であり、これを機に注目を浴びれば、円安傾向が続く今、農水産品の海外への輸出は爆発的に伸びる可能性を秘めています。  農水産品の輸出については、これまで、フランスとの協定で流通促進を契機とした販路拡大、広島県日本酒ブランド化促進協議会を通じた県産日本酒の輸出促進、JA全農ひろしまの取組による広島和牛、侍ビーフ元就のシンガポール輸出など、いくつかの動きはありましたが、サミット開催まで、あと百五十七日の大切な期間の中で、目の前のチャンスをつかめるよう、戦略的な仕掛けが求められています。  そこで、サミット開催に向け、また、サミット開催後も見据えた農水産品の輸出促進に資する戦略を、GAP認証の取得促進も含め、加速していく必要があると考えます。今後、どのように取り組んでいこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、再造林の推進についてです。  哲ちゃん、山が泣いとるで。農山村地域の人口減少、高齢化により、林業の担い手不足が深刻になっていることに加え、木材価格が低迷し、造林経費の負担が大きいことなどから、我が国の林業において、主伐後の再造林率が三割から四割にとどまっています。  本県においても、人工林が本格的な主伐期を迎えており、次世代に豊かな森林資源をつないでいくために、再造林を着実に推進していくことが求められています。  森林を伐採し、再造林するかどうかを判断するのは森林所有者です。そして、実際に現場で作業するのは、主に森林組合や林業事業者であり、伐採し、丸太にして販売する一連の収入や経費を試算し、見込まれる収益を森林所有者に提示いたします。森林所有者に再造林を促すには、単に伐採に係る収益がプラスになるだけではなく、その後の造林経費も含めてマイナスが出ないようにする必要があります。  森林組合などは、伐採後の苗木の植栽や、下草刈りといった経費も併せて明示し、判断材料にしてもらうことにも取り組まれ、再造林経費をいかに抑えるかが非常に重要になってきます。  林野庁では、伐採した木材の搬出に使用する機械を苗木の運搬にも使用するといった、伐採から造林までの作業を一体的に行う一貫作業システムを提案するなど、再造林の低コスト化や省力化を図っています。  また、本年二月予算特別委員会でも取り上げましたが、本県では、成長の早い樹種であるコウヨウザンの普及に向けた先行的な取組をしています。コウヨウザンは、その特性から、再造林経費の軽減や、造林投資の早期回収ができる林業の救世主として期待されています。  広島県産材の生産量は年々増加しており、昨年度、目標である四十万立米を初めて達成しました。大変喜ばしいことではありますが、同時に再造林も推進し、持続可能な林業をしっかりと確立していく必要があります。  そこで、再造林の推進に係る県の取組状況と今後の方針、また、コウヨウザンについては、本年二月予算特別委員会において、育苗技術の開発や獣害防除技術の開発などに取り組んでいるとお聞きしましたが、実用化や普及に向けたその後の取組の進捗状況等について、併せて知事にお伺いします。  本県の第一次産業の振興強化に係る質問の最後に要望させてください。  関係省庁の調査からも、林業の労働災害の発生率は、建設業や製造業よりも桁違いに多く、全産業の中で最も高くなっています。伐採機械の遠隔操作など、新技術の積極的な導入支援を図ること。また、農作業中の死亡事故も、全国で毎年三百件程度発生していることから、事故発生時に労災保険の適用となるよう、個人事業主である農家の特別加入を積極的に推進することを要望し、次の質問に移ります。  質問の第二は、中小企業・小規模事業者への支援について伺います。  十一月、広島県商工会連合会から、広島県商工会地域活性化議員連盟の小林会長に、中小・小規模企業振興施策に係る要望が届きました。第一次産業だけではなく、本県の中小・小規模事業者も、昨今のコロナ、物価高、急激な円安の進行などの社会情勢等を背景に、かつてないほど厳しい経営状況に置かれています。大企業によるサプライチェーンの見直し、デジタルトランスフォーメーション、カーボンニュートラルへの動きなど、激変する経営環境への対応が求められており、このままでは、地域経済の牽引役である多くの中小・小規模事業者が、事業継続の危機にさらされるとの切実な声が上がっています。  また、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少による働き手不足は深刻化しており、本県産業の持続的発展のためには、人材確保の支援策に加え、DXを活用した労働力不足の解消支援策などの充実は、待ったなしの課題であります。  県内のDXの推進に向けては、「広島県DX加速プラン」を策定するなど、知事のDX推進に向けた強い思いを改めて感じているところです。  また、県が承認する経営革新計画において、計画を策定した県内中小事業者に対し、DX導入も対象とする補助金を創設するなど、商工団体との伴走型支援にも取り組まれたところです。  一方で、中小・小規模事業者の多くはDX化の期待感、問題意識はあるものの、その具体策や方策、効果的な取組は進んでおらず、また、それを支える商工団体等の支援体制についても脆弱な状況となっています。  そこで、県内約八万三千の事業者がDXの動きに取り残されないようにするためには、県内中小事業者を支援する商工団体等と一体となって、DX化に向けた事業者への意識啓発や人材育成を進める必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、デジタル人材の確保・育成に向けた県、市町の連携について伺います。  行政におけるDXを考えたとき、広島県だけが広島県DX加速プランに沿って取り組んだとしても、県民の皆様にとって大きな恩恵をもたらすことは難しいのではないでしょうか。県だけではなく、市町も含めた全ての行政組織が本気になって取り組んでこそ、仕事や暮らし、地域社会において、DX化による新たな価値を生み出すことができるものと考えます。  行政がDXを推進するためには、高度な技術的知見を有するデジタル人材を確保・育成し、専門的知見から施策を展開していく必要がありますが、このデジタル人材は、需要過多の状態で全国的に不足しています。  こうした中では、県内の規模の大きくない市町が、それぞれ単独でデジタル人材を確保するのは、非常に難しいのではないかと思います。特に採用人数の少ない市町では、専門職種としてデジタル人材を採用する機会は十年や二十年に一度ということにもなりかねません。仮に確保したとしても、人事異動もできず、自治体内での育成も困難な状況ではないのでしょうか。  この課題に対して、愛媛県では、「チーム愛媛」高度デジタル人材シェアリング事業により取り組まれております。具体的には、県、市町の必要なときに助言を行うアドバイザーとして、あらかじめ、外部のデジタル人材の専門的なサポートが受けられるよう、愛媛県・市町DX推進専門官を任命するというもので、県、市町の間の情報共有にもつながる、いい事例であると思います。  本県においても、昨年度に設置された県・市町情報人材研究会において検討が進められ、このたび、県と市町が協働してデジタル人材を採用する枠組みを立ち上げるとのことです。  そこで、DXの取組のさらなる加速に向け、高度な専門知識を有するデジタル人材を自治体の職員として採用することで、組織の中からより効果的にDXを推進できるのではないかと期待するところですが、この人材採用の枠組みにより、県、市町がどのように連携し、人材を確保・育成しながら、DXを推進しようとされているのか、玉井副知事の御所見を伺います。  質問の第四は、高校生の地域交流促進による地域共創について伺います。  私の母校でもある県立安古市高校は、心豊かな人生の創造を目指し、高遠の理想を仰ぐ仰高を校訓とし、二年後には、創立五十周年を迎えます。学校のビジョンとして、自律性、探究する力、社会性、進路実現の四つの柱を掲げられ、生徒の社会性を育むために、地域や地元小中学校等と連携し、生徒が地域とつながり、貢献する活動を推進するとされています。昨年度から当校は、高等学校課題発見・解決学習プロジェクトに係る研究指定校に指定され、さらに、今年度からSTEAM教育モデル校に選ばれ、総合的な探究の時間と各教科の授業の相互で作用し合う、教科横断的な学びもスタートされました。  当高校では、総合的な探究の時間を仰高ゼミと呼び、生徒が多様性を尊重し、他者と協働の下、自分の力で考える力を身につける、課題発見・解決学習に取り組まれ、その成果を大学や社会福祉協議会等の先生を招き、パネルディスカッションを行うなど、積極的に活動されています。  都市部にも差し迫っている地域社会の維持に対して、若者が多く集まる高等学校が地域において果たす役割をテーマに、地域住民の触れ合いや地元商店街の活性化、地域への学校開放、大規模地震発生時に学校から帰宅ができない事態が想定される中での防災活動など、大変興味深い課題に触れ、生徒が主体的に意識から行動に結びつける一歩を踏み出していることに、私は頼もしく思い、また、感銘を受けました。  カリキュラムを作成される先生方の御苦労もお察しいたしますが、高校生にとって、親や先生以外の地域の大人たちと接しながら、課題の発見、解決に向けたアプローチ、失敗、課題の発見、探究改善と、解決に向けた努力は、大学進学のための単なる知識の習得では得られない、かけがえのない財産になるものと評価しています。  そこで、学びの変革の一環において取り組まれている総合的な探究の時間等における課題発見・解決学習の推進は、社会に出てから真に役立つ体験となるものであることから、ぜひ、県立高等学校と地域とのつながりを重視したこの取組を継続、発展していただきたいと考えますが、教育長の御所見を伺います。  質問の第五は、土砂災害特別警戒区域の逆線引きによる土砂災害からの回避について伺います。  本県は、地形特性上、平地部が少ないことから、山裾の丘陵地まで戸建て住宅や住宅団地が建ち並んでおり、土砂災害に対して脆弱な構造にあります。  平成二十六年八月豪雨や平成三十年七月豪雨等により、度重なり発生した土砂災害では、多くの貴い人命や家屋などの財産が奪われてしまいました。特に、平成二十六年八月豪雨では、私の地元、安佐南区などにおいて、土石流が百七渓流、崖崩れが五十九か所発生し、災害関連死も含めると、死者は七十七名にも及ぶなど、あの日の深い悲しみを忘れることはありません。  本県は、全国最多の土砂災害特別警戒区域が指定されており、引き続き、土砂災害から人命や財産を守るハード・ソフト両面からの取組を強力に推進していく必要があると考えています。  このような中、昨年七月に策定された方針に基づき、市街化区域内の土砂災害特別警戒区域を市街化調整区域に編入する逆線引きを行うことで、将来的に、新たな危険箇所を増やさないという決意の表れであり、様々なハードルが想定される中、本県が全国で最も早く、率先して進めていることは、大変意義があるものと評価しています。  現在、山地や農地などの未利用地の箇所を対象に先行的に進められ、対象となる十三市町のうち十二市町において、土地所有者等への説明会等による調整が進められていると伺っています。私の地元の広島市域では、来年一月から説明会が実施されるとのことです。  しかし、逆線引きなどの都市計画制度をよく知る住民の方は少ないため、逆線引きの対象となる土地所有者等の方々の中には、今後の土地利用に係る制限や土地の評価などについて、不安な気持ちや懸念を抱いている方もおられるのではないでしょうか。  そこで、現在、逆線引きに係る説明会等が各地で実施されていますが、どのような方法、内容で説明し、住民の不安に対して、どのような対応をしながら進めていこうとされているのか、お伺いいたします。  将来的には、このたびの未利用地の逆線引きに続き、宅地等でも進めていく予定とのことです。今回がその取っかかりとして大変重要になるため、地域や土地所有者等の方々の声にしっかり耳を傾け、慎重に進めていただき、目指す姿である、将来的に土砂災害特別警戒区域内に居住する人がほぼいなくなるという状態に向けて取り組んでいただくよう要望いたします。  質問の第六は、広島空港等におけるネット環境の改善について伺います。  新型コロナの影響で運休していた広島空港の台北線が来年一月から再開されます。広島空港国際線の運航においては、実に二年九か月ぶりとのことで、観光関連産業をはじめとする地域経済の活性化に資する大きなものとなると期待しております。  来年度の広島サミットに向け、本県のグローバルゲートウエーである広島空港においては、本来の機能を発揮するため、受入れ環境整備の重要性が高まっています。  先日、「ひろしま観光立県推進基本計画」の次期計画案も示されましたが、コロナ禍で落ち込んだ観光客数や観光消費額をV字回復させるためには、来訪される国内外の観光客にまた来たいと感じていただけるような、広島県の歓迎の心を表すためにも、感染拡大防止対策をはじめ、Wi‐Fiなどネット環境の整備、トイレの洋式化や美観を含めた破損箇所の補修、施設内やアクセス道路の草刈りなど、目の前の小さなことからきちんと対応していく必要があります。  特に、ネット環境の整備について、気になることが何点かありました。  西日本豪雨災害以降、避難時に、安全な場所である空港へ訪れた方々が、ネット環境が悪く、家族や関係機関と連絡が取れないため、被災地に戻ったという話を伺いました。また、非常時ではなく、平時の現在においても、ネットがつながりにくい、速度が遅いなどの声も聞いております。  来年五月のサミットでは、さらに多くの方が広島空港を経由して訪れ、アクセスが集中することも想定されることから、開催までには、Wi‐Fi車両のような基地局を一時的に設けるなどの準備も含め、ネット環境の充実・整備を行う必要があると考えます。  そこで、これから観光立県として、さらに力を入れていく本県として、重要なインフラの一つである空港や港湾におけるネット環境の改善に向けて、どう取り組んでいこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第七は、弾道ミサイルを想定した危機管理対策について伺います。  ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍事的活動、北朝鮮の核開発及び度重なるミサイルの発射など、日本を取り巻く環境は激変し、近隣諸国との間で、戦後例を見ない緊張感、危機感が高まっています。  こうした危機感が高まる中、政府は、現行のミサイル防衛網による阻止が困難との認識の下、専守防衛から、反撃能力を保有し、抑止力向上を図る必要があると判断されました。  我々議員も、県民も、地方の立場から、今後も国の動きを注視していく必要がありますが、こうした事態を踏まえ、万が一に備え、今、県として何ができるのか、何をすべきなのか、真剣に考えておく必要があると考えます。想定外を少しでも想定内に置き換えていくのが危機管理であります。  県では、平成十八年に策定した「広島県国民保護計画」に基づき、弾道ミサイルによる本県への影響がある場合に備え、情報の伝達、警戒区域の設定、住民避難の誘導、安否情報や被害情報の収集など、円滑に実施できるよう、平素から体制を整えているとのことです。  ミサイルが発射され、県内への影響が予想される場合には、国から、ミサイルの発射情報や屋内避難の呼びかけ等の緊急情報がJアラートにより伝達され、その情報が、各市町の防災行政無線や携帯電話などへの緊急速報メール等を通じ、県民の皆様に届く仕組みとなっていることは理解しています。  今年に入り、北朝鮮から、高い頻度でミサイルが発射され、我が国を取り巻く環境は厳しさを増していますが、いざという時に、実際に準備された体制が機能し、県民を守ることができるのか、県民一人一人の行動につながるのか、まだイメージがつかめない状態です。  そこで、広島に生まれた県民の一人としては、世界の平和を願ってやみませんが、本県にミサイルの影響が及ぶ万が一に備え、危機管理体制が実効性を持って機能するよう、一歩ずつ具体的な取組や対策を進め、県民一人一人の意識啓発に努めていく必要があると考えますが、改めて、県民に対する呼びかけも含め、今後の対策について答弁をお願いいたします。  終わりに、昨日、今年一年の世相を漢字一文字で表す今年の漢字が発表され、今年は戦という漢字でした。皆さんはどんな漢字を選ばれたでしょうか。私は、サンフレッチェ広島の元監督で、サッカー日本代表の森保監督が日本にもたらしてくださったドーハの歓喜の歓という漢字を選びました。ドイツ戦試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、私も家族と大声で喜び合い、晴れやかなあの感動は、私にとって、今年一年の最高のプレゼントとなりました。  戦後七十七年という今年、日本という国が大転換を迎えているとも言われ、ピンチとなるか、チャンスにするかは、我々の意識と行動次第であります。チャンスはそこにあります。  これまで、広島というブランド価値を高めるため、多くの関係者がパスをつなぎ、上げられたG7広島サミットという最高のセンタリングも、上手く合わせられなければ、ゴール、そして、広島の歓喜を広島県民全員で共に大声で喜び合うことはできません。世界の人々の心を打ち、永く記憶に残る最高のシュートが打てるよう、万全の準備を進めていただくようお願いし、また、来る令和五年が、皆様にとって、充実した一年となることを御祈念申し上げ、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 109: ◯議長(中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。
            【知事湯崎英彦君登壇】 110: ◯知事(湯崎英彦君) まず、県産食材の生産者への支援とブランド力の強化についてお答え申し上げます。  燃油や物価高騰の影響を受けている農林水産事業者に対しましては、窮状を打開するためのセーフティーネット対策の実施や省エネ機器の導入などによる経営体質の強化を図ることに加え、収益性向上を目指したブランド力強化の取組を加速する必要があると認識しております。  ブランド力の強化に向けましては、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」において、全ての施策を貫く視点の一つとして位置づけているところであり、広島がおいしさの宝庫であるというブランドイメージを、カキやレモンをはじめとする県産農林水産物が大きな柱となって創り上げていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。  このため、GI登録されている比婆牛や瀬戸内の旬を提供できる地魚に焦点を当ててブランド戦略を策定し、県民の皆様だけでなく、広島を訪れる観光客の皆様にも訴求力のある価値を届けることができるよう、飲食店や流通関係者をはじめ、観光分野の団体とも連携して、料理の磨き上げや、すぐに行って食べてみたいと思わせるような情報発信に取り組んでまいります。  また、県内に数多くある魅力ある農産物を消費者に提供し、高い評価を得ながら生産拡大につなげていくことを目的に、生産者こだわりの商品を実需者につないでいくマッチング支援、コンビニや食品関連事業者等との連携による素材のよさを引き出したメニューの企画やPR、生産者と様々な分野の企業がチームを組んでイノベーションを起こし、新たな価値を創造する取組の支援などによりまして、より一層の販売力強化に取り組んでいるところでございます。  こうした中、来年五月に開催されるG7広島サミットは、県内外から多くの注目が集まることから、この機会に県産食材の活用が一層進むよう、広島サミット県民会議はもとより、食に携わる業界団体など連携の幅を広げて取り組むことにより、本県農林水産物のブランド価値向上を進めてまいります。  次に、G7広島サミットや円安を契機とした農水産品の輸出促進についてでございます。  本県農水産物の輸出拡大につきましては、国の輸出五兆円の目標に向けた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」に基づき、国の支援策や海外の需要動向などを生産者や関係団体に紹介しながら、輸出に対する意欲醸成や輸出を拡大するための計画策定を支援しているところでございます。  しかしながら、生産者におきましては、自社の商品がどこで需要があるのか、どのくらいの利益につながるのか、あるいは、どのような条件を満たす必要があるのかなど輸出に対する不安が大きいことや、生産量が多い品目が限られていることから、既に輸出が軌道に乗っているカキや鶏卵などを除けば輸出拡大の動きは大きなものとはなっていない状況でございます。  こうした中、来年五月にG7広島サミットが開催されることとなり、海外からも多くのメディアや観光客の皆様が訪れることから、広島の食文化や特色ある食材をまずは知っていただく機会として積極的に活用してまいりたいと考えております。  このため、サミットで広島を訪れる方々に、食を提供するホテルや飲食店に対して魅力ある県産品をマッチングするとともに、広島らしさを表現できるよう、料理人の創意工夫によるオリジナル料理の開発など、食の磨き上げの取組を支援することとしております。あわせて、海外メディア向けのプレスツアーにおきまして、磨き上げた食を披露し、自国で発信していただくとともに多言語に対応した専用サイトやSNSによる情報発信などにより、広島の食に対する理解を深めていただきたいと考えております。  また、サミット後の輸出拡大の加速につきましては、海外向けの商談会への出展から取引する品目、量、価格など契約に至るまでの伴走支援に加えて、こうした商談を確実なものとするためには、安全・安心な生産活動を裏づけるGAP認証が有効であることから、生産者に対し取得の動機づけとなるよう研修会や個別支援を進めてまいります。  G7広島サミットが開催される今こそ、輸出拡大に向けた動きを活発化させる絶好の機会であり、こうした取組を関係団体と一体となって進め、成果につなげていくことにより、物価高騰などの厳しい条件下においても世界で競争力を発揮できる本県農林水産業の確立を図ってまいります。  次に、DXの推進に向けた中小企業・小規模事業者への支援についてでございます。  AI、IoT、5Gなどのデジタル技術の急激な進展による新たな潮流に乗り遅れることなく、県内中小企業や小規模事業者が持続的に成長していくためには、DXの必要性を認識し、自社の経営課題に対応した実践につなげていくことが重要であると認識しております。  県の実態調査によりますと、DXの必要性を感じている県内事業者の割合は約八割となっている一方で、実際にDXに取り組んでいる事業者は約三割にとどまっており、その主な要因として、DXに関する目標や戦略が不明確であることや、デジタル技術の活用に必要な人材の不足、システム構築などの費用の負担などが挙げられております。  こうした、いわゆる未着手層──着手していない層の実践意欲を高め、DXに果敢にチャレンジできる環境を構築するためには、事業者のDX推進の進捗度合いに応じた的確な支援施策が必要だと考えております。  このため、まず、機運醸成の取組として、経営者層に向けたトップリーダーのためのDXセミナーや、実務者層がDXの考え方や基礎的なデジタル技術を学ぶ、みんなのDX研修などを実施してきたところでございます。  さらに、組織的なデジタルリテラシーの向上に向け、デジタル知識の底上げを図るためのITパスポートの取得支援や、県内ものづくり企業の現場におけるIoT推進リーダーの育成を図ってきたほか、デジタル技術の実装を支援する具体的な取組として、ひろしまサンドボックスで開発・実証したサービスや商品への実装支援などにも取り組んできたところでございます。  また、中小企業や小規模事業者を支援する商工会、商工会議所におきましては、伴走型支援の一環として、IT化促進セミナーの開催や、ITツールの導入支援などが実施されております。  これらの商工団体は、コロナ禍以降、十万件を超える経営相談が寄せられるなど、身近な支援機関として地域の事業者を支えており、例えば、商工団体にDX推進の専門家を配置するなど、デジタル分野での伴走支援の機能強化を図ることが、事業者のDXを推進する上で効果的であると考えております。  今後は、本県の中期的な取組方針として策定いたしました「広島県DX加速プラン」に基づき、中小企業や小規模事業者を支える商工団体等とのさらなる連携強化を図りつつ、事業者による自律的な取組を促すなど、デジタル投資の促進や人材の育成・確保を進めていくことで、県内経済の着実な成長につなげてまいりたいと考えております。  次に、弾道ミサイルを想定した危機管理対策の強化についてでございます。  北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射につきましては、国民の生命、身体、財産、我が国の領土、領海の安全を脅かす行為であり、弾道ミサイルの影響が本県に及ぶ事態に備えて、的確かつ迅速に対応できるよう平時から訓練等による危機管理体制の強化と県民の皆様への周知に取り組むことが重要であると認識しております。  このため、市町と連携して、四半期ごとのJアラートの情報伝達訓練による伝達体制の確認や、紙屋町地下街シャレオ、福山駅前地下広場などの地下施設を含めた避難施設の追加指定などに継続的に取り組むほか、県や市町のホームページなどにより、ミサイル発射時に住民が取るべき具体的な避難行動について、周知を図っているところでございます。  また、本年十月四日における青森県上空のミサイル通過を受けまして、広島県防災ウェブや防災ツイッターにより、ミサイル発射時の情報伝達と避難行動について、県民の皆様に呼びかけを行うとともに、十一月に市町危機管理連絡会議を開催いたしまして、ミサイル発射時の対応事項について再確認したところでございます。  今後も、いざという事態に備えて、改めて市町等としっかり連携し、緊急情報の迅速、的確な伝達体制の確保や避難施設の指定促進、訓練の実施などに取り組んで危機管理体制の実効性を高めるとともに、様々な媒体を活用した周知啓発により、ミサイル発射時の情報伝達や避難行動について、県民の皆様への浸透に努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 111: ◯議長(中本隆志君) 副知事玉井優子君。         【副知事玉井優子君登壇】 112: ◯副知事(玉井優子君) デジタル人材の確保及び育成に向けた県と市町の連携についてお答え申し上げます。  県全体としてDXを加速していくためには、県、市町それぞれが、デジタル技術に精通し、技術面から企画立案につなげることができるデジタル人材を確保し、DX推進体制を整備した上で、取り組むことが有効と認識しております。  県におきましては、昨年度から情報職を新設し、デジタル人材を採用、配置しているところでございますが、一部の市町におきましては、単独でデジタル人材を確保・育成することは困難といった声もございます。したがいまして、昨年四月に県・市町情報人材研究会を設置し、市町と共に、デジタル人材の確保・育成手法等について議論を進めてまいりました。  その中で、とりわけ小規模な市町におきましては、人材の確保・育成に当たり、募集しても応募が期待できないこと、採用に際して能力評価が困難なこと、採用後の人事異動等を含めたキャリアパスの形成が困難なことなどの課題があることが明らかになったところでございます。  こうした課題に対応するため、県、市町が共同でデジタル人材の確保・育成を行う枠組みとして、デジシップひろしまを立ち上げてまいります。  この枠組みにおきましては、県、市町が共同で、デジタル人材を公募、採用し、各自治体の職員として配属して、DX施策を推進するとともに、県、市町の枠を超えた人事異動により、デジタル人材のキャリアパスを形成してまいります。  加えて、先進事例に関する県、市町間での情報共有や、職員のデジタルリテラシー向上のための研修の共同実施など、様々な取組を県、市町が連携して実施していくことで、県民や事業者の皆様にとって新たな価値を生み出すDXの実現を加速させてまいります。 113: ◯議長(中本隆志君) 農林水産局長大濱 清君。         【農林水産局長大濱 清君登壇】 114: ◯農林水産局長(大濱 清君) 再造林の推進についてお答えします。  再造林の推進に向けましては、伐採後の植栽から生育の初期段階において手間や費用が多くかかることから、施業の各段階で新たな技術を取り入れるなど省力化やコスト削減を図ることが重要であると考えております。  このため、本県では伐採から再造林までの一貫作業システムとして、立木を伐採する際に、次の植栽がしやすいよう枝葉の片づけや苗木の運搬までを行う実証に取り組むとともに、急傾斜地でも容易に苗木を運搬することができる大型ドローンの試験なども行っており、省力化やコスト削減の効果を確認しているところでございます。  今後は、こうした取組の結果を取りまとめ、現地研修会などを通じて、林業経営体に普及するとともに、乗用式下刈機などのスマート林業機械についても積極的に導入を進め、伐採した森林に再造林が着実に行われるよう、推進してまいります。  次に、コウヨウザンの普及につきましては、初期生育を促すための育苗や獣害対策を適切に行う技術を確立することに加え、新しい樹種であるコウヨウザンの性質や収益性のよさなどを林業経営体に理解していただくことが重要であると考えております。  このため、育苗につきましては、施肥や殺菌などの技術マニュアルを苗木生産者に配付し、技術的な指導を行うとともに、獣害対策につきましては、野ウサギの食害を抑制するための安価で丈夫な保護資材の開発を進めているところでございます。  今後は、こうした技術改善を取り入れたモデル林などを活用し、実際に生育している様子を林業経営体に見てもらい、様々な不安感を払拭するとともに、経営収支の比較なども示しながら導入のメリットを理解してもらうことで、コウヨウザンの普及を図ってまいります。 115: ◯議長(中本隆志君) 都市建築技術審議官高橋政則君。         【都市建築技術審議官高橋政則君登壇】 116: ◯都市建築技術審議官(高橋政則君) 土砂災害特別警戒区域の逆線引きによる土砂災害からの回避についてお答え申し上げます。  近年の激甚化、頻発化する豪雨災害への対応として、これまでのハード・ソフト対策の強化に加え、災害リスクの高い区域における住宅などの土地利用を抑制し、災害リスクの低い区域へ居住を誘導するため、市街化区域内の土砂災害特別警戒区域を市街化調整区域に編入する逆線引きについて、市街化区域を有する県内全十三市町と連携しながら、推進しているところでございます。  この取組を円滑に推進するためには、県内に逆線引きの候補地が約一万か所と多数あることから、土地利用の危険性や規制の必要性について、住民の意識醸成を図りつつ、段階的に進めていくことが重要と考えております。  このため、まずは、住宅などの新たな土地利用の広がりを防ぐ観点から、市街化区域の縁辺部における山地や農地等の未利用地である約八百か所を候補箇所として、先行的に進めることとしております。  土地所有者等の方々への説明につきましては、逆線引きの制度や進め方、逆線引きに伴う影響などについて、分かりやすく取りまとめた資料等を活用しながら、地域の実情や対象箇所数などに応じて、会場での説明会や個別訪問等により行っております。  また、土地利用に係る制限や土地の評価に関する御懸念に対しましては、逆線引きは、住民の生命と財産を守る重要な取組であること、逆線引きに伴う土地の評価や課税の考え方などを説明するとともに、さらに個々の詳細な情報が必要な場合には、市町の関係部局とも連携しながら対応しているところでございます。  県といたしましては、引き続き、市町と連携して、地域の皆様や土地所有者等の方々に対して丁寧に説明し、御理解を得ながら進めていくとともに、こうした取組を推進することにより、災害に強くコンパクトに機能集約された持続可能なまちづくりを実現してまいります。 117: ◯議長(中本隆志君) 土木建築局長上田隆博君。         【土木建築局長上田隆博君登壇】 118: ◯土木建築局長(上田隆博君) 広島空港等におけるネット環境の改善についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ地域経済の回復に向けて、本県のグローバルゲートウエーである広島空港や広島港の受入れ環境整備は非常に重要であると認識しております。  広島空港のネット環境につきましては、平成二十六年から、ターミナルビル内で無料インターネット接続が行える無線LANサービス「HIROSHIMA FREE Wi‐Fi」の提供を行っているところでございます。  また、広島空港の運営権者である広島国際空港株式会社、通称HIAPは、感染拡大防止対策をはじめ、ターミナルビル内のWi‐Fiなどのネット環境やターミナルビル内及び周辺環境の美化等、計画的に整備を進めておられ、来年五月のG7広島サミット開催に向けて、既存設備の機能強化を図ることとしております。  さらに、サミットを契機として増加する国内外からの来訪者を円滑に受け入れることができるよう、高速通信網を支える基盤整備など、ネット環境のさらなる改善に向けてHIAPが地元自治体である三原市と協議を行っているとお聞きしております。  広島港におきましては、一度に多くの観光客が乗船するクルーズ客船の受入れ環境の向上を図るため、五日市埠頭内の上屋にWi‐Fi設備を整備し、乗客乗員が利用するネット環境の充実を図っているところでございます。  また、宇品外貿埠頭につきましては、現在、クルーズターミナルの建設を行っており、令和五年度末の工事完成に合わせて、Wi‐Fi環境も整備することとしております。  県といたしましては、空港や港湾を利用される来訪者の方々に、より便利で快適な環境が提供できるよう、関係者と連携しながら引き続き、必要な取組を進めてまいります。 119: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 120: ◯教育長(平川理恵君) 高校生の地域交流促進による地域共創についてお答えいたします。  県教育委員会では、研究指定校事業や全県立高等学校を対象とした研修を実施し、総合的な探究の時間において、生徒が自己の在り方、生き方を考えながら、地域や学校の実態などに応じた探究課題を設定し、その解決に向けた様々な学習活動が展開できるよう取り組んでいるところでございます。  例えば、呉宮原高等学校では、屋根のない学び舎プロジェクトとして呉市でのフィールドワークを行い、地域への提言を考える取組を、大崎海星高等学校では、地域コーディネーターと連携して農業、漁業、観光、造船など地域の諸産業や地元企業の抱える課題を解決する取組を行うなど、生徒が地域に参画して活性化を図っている事例がございます。  こうした取組などにより、研究指定校十八校におきましては、生徒に対するアンケート結果で、探究的な学びを通して自分自身に資質、能力が身についたと実感している割合が増えているといった状況となっております。  今後も、指定校事業によるカリキュラム開発や研修などの充実を図り、各学校が課題発見・解決学習を推進することを通して、生徒一人一人に応じた探究的な学びを実現していくとともに、生徒が自立した学習者として自己の将来のイメージを持ち、意欲を持って学びに向かうことができるよう支援してまいります。 121: ◯議長(中本隆志君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時十三分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...